Gemini 4 ArgonとGPT-6 Astra比較:12月からhigh設定はAstraが安い
AA総合指数はAstra high 55点、Argon high 50点。既定設定ならArgonが安いままですが、12月1日の値上げ後はhigh同士でAstraが安くなります。
目次

2026年11月4日時点で、Gemini 4 ArgonとGPT-6 Astraのどちらか一方に絞るなら、難しい仕事の品質を優先する場合はGPT-6 Astra(gpt-6-astra)を推論強度mediumかhighで使うのが基本です。第三者機関Artificial Analysis(AA)の総合指数v5.0.1では、同じhighでAstraが55点、Argonが50点で、Astraはmediumの52点でもArgonのhighを上回ります。Gemini 4 Argon(gemini-4-argon)が向くのは、思考レベルを既定のままにして短い処理を大量に回す仕事、日本語の長い文書を読ませる仕事、同じ前置きを何度も送る仕事で、ここでは12月以降もArgonのほうが安く済みます。
判断を変えるのは日付です。Argonの単価は11月30日まで100万トークンあたり入力$2・出力$10ですが、12月1日から入力$4・出力$20に上がり、Astraは入力$10・出力$50のままです。2026年11月4日に同じ8つのタスクを両モデルで実行したところ、正答数はほぼ同じでしたが、highではArgonが思考を含めてAstraの4.2倍の出力を書いたため、11件の回答にかかる費用は12月の単価でArgon $0.807、Astra $0.586と逆転しました。「Argonは同点で4割安い」という説明は、AAの旧指数と10月の単価に基づく数字です。
例外は、長いログから件数を正確に数えるような仕事です。同じ日のテストで、Argonは既定設定だとすべての件数を20〜37%少なく答え、highではストリーミングで受け取った場合にだけ正解し、1回に271〜402秒かかりました。Astraは既定でもhighでも80秒以内に全問正解しています。
性能はAstraが上:AA総合指数でhigh同士55点対50点
総合的な性能では、2026年11月4日時点でGPT-6 AstraがGemini 4 Argonを上回っています。AAの両モデル比較ページのIntelligence Index v5.0.1は、業務エージェント、端末操作、コーディング、文書の読解、物理や科学の推論など9種類の評価をまとめた総合点で、AAはArgonをhighでしか採点していません。Astraはlowからmaxまで5段階の数字があります。
| モデルと設定 | 総合指数 | 指数タスク1件のコスト | 1件の処理時間 |
|---|---|---|---|
| Gemini 4 Argon high | 50 | $7.68(12月の単価)、$3.84(11月30日までの単価に換算) | 1,363秒 |
| GPT-6 Astra low | 43 | $1.42 | 181秒 |
| GPT-6 Astra medium | 52 | $2.73 | 352秒 |
| GPT-6 Astra high | 55 | $3.24 | 404秒 |
| GPT-6 Astra xhigh | 55 | $3.66 | 450秒 |
| GPT-6 Astra max | 57 | $6.24 | 768秒 |
AAはArgonのモデルページで、すでに12月からの単価(入力$4・出力$20)を使って$7.68と計算しています。Argonの単価は11月30日までちょうど半分なので、同じトークン数なら現在は約$3.84です($7.68÷2)。この換算で比べると、Astra highの$3.24はArgon highの0.84倍、12月以降は0.42倍で、点数が高いうえに安いことになります。Astra medium(52点、$2.73)でも点数はArgon highより2点上で、Argonを下回るのはAstra low(43点)だけです。Astra max(57点、$6.24)は現在のArgonの1.63倍ですが、12月以降は0.81倍になります。処理時間はArgon highが1件1,363秒とAstra highの3.4倍で、1件あたりの出力は約116,000トークン(うち推論68,000)と、Astra maxの約52,000トークンの2倍以上です。
注意したいのは、両社のhighが同じ目盛りではない点です。Argonのthinking_levelはlow・medium・highの3段階で、APIの既定はmediumです(Gemini APIの思考に関するドキュメント)。Astraのreasoning_effortはlowからmaxまでで、既定値はOpenAIのドキュメントに書かれていません。「同じ設定で比べる」とは同じ名前の設定で比べるという意味で、同じ計算量をかけたという意味ではありません。また、AAの「タスク」は指数を構成する評価タスクのことで、あなたの1回のリクエストとは長さも手順も違います。
得意な評価:業務自動化はArgon、コードと科学はAstra
評価ごとに見ると、Argonが勝つのはSaaS業務の自動化と端末操作で、Astraはコーディング、文書の推論、物理や科学の研究で大きく上回ります。AA v5.0.1の9評価を、両モデルのhighで並べると次のとおりです(2026年11月4日時点、評価の説明はAAの表記に基づきます)。
| AAの評価 | 測っている内容 | Argon high | Astra high |
|---|---|---|---|
| AutomationBench-AA | SaaSを使った業務フローのエージェント | 77.5% | 66.6% |
| Terminal-Bench 4.0 | エージェント型のコーディングと端末操作 | 57.1% | 54.0% |
| AA-Omniscience | 知識の正確さと誤答の少なさ | 46 | 45 |
| AA-Briefcase | エージェント型の知的業務(Elo形式の点数) | 1484 | 1505 |
| HLE-Diamond | 推論と知識 | 56.7% | 59.3% |
| Terminal-Bench-Science | 端末での科学研究ワークフロー | 52.9% | 59.5% |
| GDP.pdf | 専門的な文書を読んでの推論 | 21.8% | 31.0% |
| FrontierCode 2.0 | オープンソースのリポジトリでのソフトウェア開発 | 25.7% | 40.1% |
| CritPt v2(難問) | 物理の推論 | 52.5% | 71.5% |
Googleの発表では印象が逆になります。2026年9月30日のGoogleのGemini 4 Argon発表記事に載った比較表では、19項目のうち14項目でArgonがAstraを上回り、Astraが上なのはFrontierSWE v2、Terminal-bench 4.0、Terminal-Bench Science、OSWorld-2.0(オフライン)の4項目、1項目が同点でした。ただしこれはGoogle自身が選んだ評価を、Googleの設定(最高の思考レベル)で測った値です。同じ発表について報じたVentureBeatの記事によると、間接的なプロンプトインジェクション攻撃の成功率はArgon 0.7%、Astra 8.5%とされています。第三者の指数でもArgonが上のものがあり、ValsのGemini 4 Argon評価ページのVals Indexでは、2026年9月30日時点でArgonが68.90%、Astraが63.13%でした。どの指数を信じるかで結論が変わるため、両方の存在を前提に、自分の仕事に近い評価を見るのが現実的です。
コーディングではどちらが上か:評価によって逆になる
コーディングは根拠が割れています。Googleの表ではDeepSWE v1.1(77.9対74.1)とVibe Code Bench(91.9対89.6)でArgonが上ですが、FrontierSWE v2では65.5対55.0でAstraが大きく上回ります。AAではリポジトリ単位の開発を測るFrontierCode 2.0でAstraが40.1%対25.7%と差をつけ、端末操作を含むTerminal-Bench 4.0ではArgonが上です。同じTerminal-bench 4.0でも、Googleの表では57.4対58.2でAstraが上という点にも注意が必要です。
2026年11月4日の実測で使った関数作成のタスク(隠しテスト付き)では、両モデルとも既定でもhighでもほぼ全問合格し、差は出ませんでした。既存のリポジトリを読んで直すような難しい開発はAstraから、端末操作やツール連携の多い自動化はArgonとAstraの両方を自分の作業で試す、という分け方が根拠に沿っています。
「Argonは同点で4割安い」は旧指数と10月単価の数字
ArgonとAstraが「同点」で「Argonが約4割安い」という説明は、2026年10月の時点では正しい数字でした。AAは2026年10月27〜28日に総合指数を旧版のv4.3.2からv5.0へ切り替え、現在はv5.0.1と表示しています。旧指数で53点だったのはArgon highとAstra maxで、Astra highは51点でした。つまり「同点」はArgonのhighとAstraのmaxを並べた比較で、指数タスク1件のコストはArgon highが入力$2・出力$10の単価で$1.99、Astra maxが$3.26でした。$1.99÷$3.26≈0.61なので「約4割安い」、逆から見て「Astraはタスクあたり1.6倍」となります。「差は0.11ポイント」といった表現もこの旧指数のものです。
いまの数字と食い違う理由は2つあります。評価の構成が変わってArgon highが53点から50点に下がり、Astra highが51点から55点に上がって、同じhigh同士でAstraが上になったこと、そしてAAが12月からのArgon単価で費用を計算し直したことです。旧指数の点数と新指数の点数は同じ表で比べられないので、記事やSNSで数字を見かけたら、どの版の指数か、Argonの単価をいくらとして計算しているかを確かめてください。
8タスクの実測:正答はほぼ同じ、highは12月にAstraが安い
2026年11月4日に、同じ8つのタスクを両モデルに既定設定とhighの2通りで送りました。経路は両モデルともLaoZhang APIの同じゲートウェイで、ArgonはgenerateContent(ストリーミングなし)、AstraはChat Completions(ストリーミング)を使い、システムプロンプトとツールは付けていません。タスクは文章題1問、Python関数3問(隠しテスト付き)、6,723語の英文記事の5項目要約、そして式の構文解析・CSVの1行解析・桁和の数え上げという難しめの関数3問で、難しめの3問は2回ずつ実行したので、1設定あたり11件の回答を採点しています。既定設定はArgonで思考の設定なし(APIの既定はmedium)、Astraでreasoning_effortの指定なしです。費用は返ってきたトークン数に公式の単価を掛けて計算しました。
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| 設定 | 正答 | 出力トークン(うち思考) | 合計時間 | 11件の費用(11月30日まで) | 11件の費用(12月1日から) |
|---|---|---|---|---|---|
| Argon 既定 | 10/11 | 6,782(1,727) | 163秒 | $0.093 | $0.187 |
| Argon high | 11/11 | 39,514(33,105) | 463秒 | $0.403 | $0.807 |
| Astra 既定 | 11/11 | 5,342(1,885) | 117秒 | $0.381 | $0.381 |
| Astra high | 11/11 | 9,443(5,982) | 215秒 | $0.586 | $0.586 |
既定設定では、Argonの安さがそのまま残ります。Astraの費用はArgonの4.1倍で、Argonの単価が2倍になる12月以降も2.0倍です。Argonが落とした1件は式の構文解析で、" 1 + 2 "のように余分な空白を含む式でエラーを出し、25個の隠しテストのうち1個に失敗しました。
highでは話が変わります。Argonの思考トークンは33,105と、Astraの5,982の5倍以上に増え、出力全体ではAstraの4.2倍になりました。単価が5分の1でも出力が4倍を超えれば差はほとんど消え、11月30日まではAstraがArgonの1.45倍で済み、12月1日以降はAstraのほうが安く、Argonの0.73倍になります。合計時間もArgon highはAstra highの約2倍でした。11月中のhigh同士は、AAの指数タスクではAstraのほうが安く($3.24対$3.84)、このテストではArgonのほうが安いと向きが逆ですが、これはAAのタスクが長く多段階の作業で、こちらは1回のプロンプトで終わる短い作業だからです。12月1日以降は、どちらの計測でもAstra highが安くなります。

このテストで分かるのは、正答率がほぼ同じ条件での費用、トークン数、時間の差です。条件がはっきりした小さなタスクなので、どちらが賢いかの順位は付けられません。経路は1つ、日付は1日、サンプルは各1〜2回で、合計時間にはストリーミングの有無の差も含まれます。
長いログの集計ではArgonの既定設定が全件数を少なく答えた
今回のテストで両モデルの差がはっきり出たのは、8タスクとは別に用意した長いログの集計だけでした。同じ2026年11月4日、146KBのアプリログ(1,500行、ERROR行は326行、同じエラーコードを持つWARN行を紛らわしい行として混ぜたもの)を渡し、5つのエラーコードのERROR件数、E503を受けたユーザーの人数、リトライ回数が最も多いリクエストを答えさせました。正解はスクリプトで作り、送る前にgrepで照合しています。
Astraは既定設定で2回とも全問正解し、1回46秒・$0.748でした。同じファイルをもう一度送ると55,840トークンがキャッシュから読まれ、38秒・$0.207に下がりました。highでも2回とも正解し、78秒・$0.90と、キャッシュが効いた2回目は72秒・$0.34です。Argonは既定設定だと約7秒・$0.16で答えを返しましたが、2回ともすべての件数が20〜37%少なく、E503の件数は正解94件に対して59件、E503のユーザーは78人に対して46人でした。このときAPIは思考トークンを1つも報告していません。Argon highはストリーミングで受け取った2回とも正解しましたが、271秒と402秒かかり、費用は1回$0.53〜0.55、12月以降の単価では$1.06〜1.09です。
ストリーミングなしで送ったArgon highの1回は、Googleがストリーミングなしの応答に設けている32,768トークンの出力上限を思考だけで使い切り、finishReasonがMAX_TOKENSのまま回答を返しませんでした。それでも$0.49(12月以降なら$0.97)が課金されます。長い入力をArgon highで処理するなら、ストリーミングで受け取り、maxOutputTokensを指定してください(正解した2回は65,536を指定)。途中で切れた応答の扱いは「Gemini 4 Argon APIのfinish_reason:途中で切れる回答の続け方」で扱っています。正解1件あたりで比べると、Astra既定の約$0.75(同じファイルをキャッシュ期間内に再度送れば約$0.21)に対し、Argon highは11月中なら$0.53〜0.55と安いものの、12月以降は逆に高くなり、待ち時間は6〜10倍です。これは「長く紛らわしい入力から正確に数える」という1種類の仕事の結果で、全体の順位ではありません。

API料金:Argonは12月1日に入力$4・出力$20、Astraは$10・$50
APIの単価は、2026年11月30日まではAstraがArgonのちょうど5倍、12月1日からは2.5倍です。Argonの値上げはGemini APIの料金ページに日付つきで載っており、入力・出力・キャッシュ入力がすべて2倍になります。Astraの単価はOpenAI APIの料金ページのとおりで、変更は告知されていません。いずれも100万トークンあたりのStandard料金で、2026年11月4日時点の値です。
| 項目 | Argon(11月30日まで) | Argon(12月1日から) | Astra |
|---|---|---|---|
| 入力 | $2.00 | $4.00 | $10.00 |
| 出力(思考トークンを含む) | $10.00 | $20.00 | $50.00 |
| キャッシュ入力 | $0.10 | $0.20 | $1.00 |
| キャッシュ書き込み | なし(暗黙のキャッシュのみ) | なし | 30分 $12.50、12時間 $25.00 |
| 272Kトークンを超える入力 | 同じ単価 | 同じ単価 | リクエスト全体が入力$20・出力$75 |
| Batch、Flex | 半額 | 半額 | 半額 |
1回の費用は「入力トークン数×入力単価+出力トークン数(思考を含む)×出力単価」で決まります。ここで効いてくるのが、同じ文章でもモデルによってトークンの数え方が違うことです。2026年11月4日に同じ344文字の日本語の文章を両方のAPIに送ったところ、Argonは169トークン、Astraは254トークンと数え、ArgonはAstraの0.67倍でした。入力の費用差は「単価の差÷トークン比」になるので、同じ日本語の入力ならAstraの入力費はArgonの約7.5倍(5÷0.67)、12月以降も約3.7倍(2.5÷0.67)と、単価の差より大きく開きます。
英語の文章では両モデルのトークン数が同じだったため、差は単価どおり5倍、12月以降2.5倍です。逆に、タイムスタンプやID、key=valueが並ぶログでは、前述の146KBのファイルをArgonがAstraの1.42倍のトークンと数えたため、差は約3.5倍(5÷1.42)、12月以降は約1.8倍(2.5÷1.42)に縮みます。どの比も1種類の文章で測ったもので、自分のデータでは両方のAPIが返す入力トークン数を確かめてください。
出力側は、単価よりも思考の量で決まります。前述の8タスクでは、既定設定の出力はArgonがAstraの1.27倍にとどまったため、Argonが12月以降も半額で済みました。一方highではArgonが4.2倍書いたので、単価の差がほぼ消えました。月の費用を見積もるときは、11件の回答セットを1,000回(11,000リクエスト)流した場合の例が目安になります。Argon既定は$93(12月以降$187)、Astra既定は$381、Argon highは$403(12月以降$807)、Astra highは$586です。自分の月間リクエスト数と平均トークン数を上の式に入れ、11月と12月の2通りで計算してください。Astraの単価や長文・Batchの計算の詳細は「GPT-6 Astra API料金:10種類の単価と長文・Batch・Fastの計算方法」にまとめています。
同じ前置きを繰り返す場合はキャッシュの課金の違いを確認する
長いシステムプロンプトや同じ資料を何度も送る仕事では、キャッシュの課金の仕組みが費用を左右します。Argonは暗黙のキャッシュだけに対応し、書き込みの料金はかからず、キャッシュから読んだ入力は通常の5%です。AstraはOpenAIの仕様では既定でキャッシュされ、読み出しは通常の10%ですが、1,024トークン以上のプロンプトは書き込みが通常の1.25倍(30分の既定)で課金されます。12時間の保持はResponses APIだけで2.5倍です。書き込みを避けたい場合はprompt_cache_options.mode: "explicit"で自動キャッシュを止められます。
2026年11月4日のLaoZhang API経由のテストでは、Astraはどの呼び出しでもcache_write_tokensを報告しませんでしたが、55,843トークンのプロンプトを再送すると55,840トークンがキャッシュから読まれました。同じ経路で2026年10月26日に送った10,106トークンのプロンプトでは10,103トークンの書き込みが報告されていたので、書き込みが行われなかったのか報告されなかっただけなのかは、応答からは判断できません。OpenAIのAPIに直接つなぐ場合、書き込みは前述の1.25倍で課金されます。Argonは設定なしで、繰り返した記事で11,110トークン中9,056、繰り返したログで79,312トークン中77,258がキャッシュから読まれました。自分の請求を確かめるには、Astraではusage.prompt_tokens_detailsのcached_tokensとcache_write_tokens、ArgonではusageMetadata.cachedContentTokenCountを見てください。
注記:laozhang.ai は当ブログ運営チームの自社サービスです。その料金は中立的な比較ではなく、自社の提示価格です。
長い入力と出力:Astraは272K超で割増、Argonは単価一定
入力が長い仕事では、Argonのほうが料金の計算が単純です。Argonは入力と出力で共有する1,048,576トークンの枠があり、長さによる単価の段差はありません。Astraはコンテキストが1,050,000トークン、入力は最大922,000トークン、出力は最大128,000トークンで、入力が272Kトークンを超えるとそのリクエスト全体が入力2倍・出力1.5倍の単価(入力$20・出力$75)になります。Googleの発表表では、256K〜1Mトークンの長文を扱うGraphWalksでArgonが84.2、Astraが71.8でした(Googleが自ら測った値です)。
長い出力では、Argonの上限に注意が必要です。同期呼び出しの既定の出力上限は65,536トークンで、ストリーミングなしの1回の応答は32,768トークンまでです。前述のログの例のように、思考が長くなるhighではこの上限に思考だけで達することがあります。Astraの出力上限は128,000トークンなので、既定の同期呼び出しどうしで比べれば、思考を含めて1回で返せる量はAstraのほうが大きくなります。ただしArgonは長い出力を続けて生成する仕組み(long decode)を使えば、入力と共有する1,048,576トークンの枠の中で最大100万トークン規模まで出力できます。
APIとプランでの使い方:Argonは無料枠なし
どちらもAPIは従量課金が基本で、アプリで使えるプランも違います。2026年10月下旬時点の各社の公開情報では、次のようになっています。
| 使い方 | Gemini 4 Argon | GPT-6 Astra |
|---|---|---|
| API | 有料ティアのみで、無料ティアはなし | アクセス権のある組織・プロジェクトでトークン課金 |
| チャット | GeminiアプリとGoogle検索のAIモードで、Google AI ProとUltra | ChatGPTのチャットはPro、Business、Enterpriseで使えると第三者が報じている。FreeとGoはGPT-6 Luna |
| 開発・作業の環境 | Google AI StudioでProとUltra(Freeは対象外)、AntigravityでPro、Ultra、Enterprise | ChatGPTのWorkとCodexで、PlusとBusinessは5時間あたり約5〜45メッセージ、Proは5時間の制限なし、EnterpriseとEduは管理者が有効にするまで使えない |
APIで注意したい違いは2つあります。Argonは無料ティアの対象外で、思考トークンも含めてすべて課金されます。AstraはChat Completionsでは関数呼び出しが使えず、ツールを使うエージェントではResponses APIを使う必要があります。ChatGPTのワークスペースでAstraを有効にしても、APIの利用権限は付きません。APIでAstraが使えるかの確認方法は「GPT-6 Astra APIの始め方:利用権限の確認から最初の応答まで」、ChatGPTの無料プランで使えるモデルは「GPT-6は無料で使える?ChatGPT無料プランは10月8日からGPT-6 Luna」で扱っています。Googleはどのプランでも、Argonを何回使えるかの数字を公開していません。
仕事別の使い分け:Argonを選ぶ条件、Astraを選ぶ条件
ここまでの数字をまとめると、品質の幅広さではAstra、既定設定での量産と日本語の長文入力ではArgonです。2026年11月4日時点の根拠と12月の単価を前提に、仕事の種類ごとに最初に試す組み合わせを並べます。
| 仕事の種類 | 最初に試すモデルと設定 | 理由 |
|---|---|---|
| リポジトリを読んで直す開発、科学や数理の推論 | Astra medium〜high | AAのFrontierCode、CritPt、Terminal-Bench-ScienceでAstraが大きく上 |
| SaaS連携や端末操作のエージェント | ArgonとAstraの両方をhighで | AAではArgonが上、Googleの表ではTerminal-benchでAstraが上と割れている |
| 分類・要約・短い関数などの大量処理 | Argon 既定 | 正答はほぼ同じで、費用は12月以降もAstra既定の約半分 |
| 日本語の長い文書を読ませる | Argon | 同じ日本語をAstraより少ないトークンで数え、入力費の差が単価以上に開く |
| 長いログや表から正確に数える | Astra 既定 | Argon既定は件数がずれ、Argon highは数分かかる |
| 272Kトークンを超える入力 | Argon | Astraはリクエスト全体が割増になる |
| 高い設定で品質を上げたい | Astra high | 12月以降はArgon highより安く、点数も上 |
ほかの候補も検討するなら、OpenAI内でより安い選択肢は入力$2・出力$10のGPT-6.1 Solで、比較は「GPT-6.1 Sol・6 Sol・Astra比較:移行の判断」にあります。Google内の安い選択肢は「Gemini 4 Argonと3.8 Flashの違い:実測コストと使い分け」、Claude Opus 5.5とGPT-6.1 Solを含めた比較は「Gemini 4 Argon・Opus 5.5・GPT-6.1 Sol比較:Argonは12月に単価2倍」、Claude Sonnet 5.5とAstraの比較は「Sonnet 5.5とGPT-6 Astra比較:費用と使い分け」で扱っています。
自分のプロンプトで両モデルを比べる手順
指数も実測も、あなたの仕事そのものではありません。契約を決める前に、小さな比較を自分で回すと判断が早くなります。
- 実際の依頼から10〜20件を選び、テストや正解の値など、合否を機械的に判定できる基準を先に決めます。
- 両モデルに同じ入力を、既定設定と
highの2通りで送ります。ArgonはgenerationConfig.thinkingConfig.thinkingLevel、Astraはreasoning_effort(Responses APIではreasoning.effort)で指定し、ツールを使う場合はAstraをResponses APIで呼びます。 - Argonの
highはストリーミングで受け取り、maxOutputTokensを指定します。finishReasonがMAX_TOKENSの応答は失敗として数えます。 - 応答ごとに使用量を記録します。Argonは
usageMetadataのpromptTokenCount、candidatesTokenCount、thoughtsTokenCount、cachedContentTokenCount、Astraはusageのprompt_tokens、completion_tokens、completion_tokens_details.reasoning_tokens、prompt_tokens_detailsです。 - 費用をArgonの11月の単価と12月の単価の2通りで計算し、正解1件あたりの費用と待ち時間で比べます。
この手順で、同じ正答率に必要な設定と費用が分かります。Argonの思考の量は設定と仕事の種類で大きく変わるため、12月以降の単価で比べた結果を採用してください。
Gemini 4 ArgonとGPT-6 Astraのよくある質問
「Gemini 4」はArgonのことですか?Gemini 4 Carbonとの違いは?
2026年11月4日時点で一般に使える「Gemini 4」はGemini 4 Argon(アルゴン)です。Gemini 4 Carbonは2026年10月28日に発表されましたが、対象はGoogleのFairwindプログラムに参加するサイバー防御の担当者だけで、公開のAPIモデルIDや提供開始日は出ていません。Carbonとの比較は「Gemini 4 Carbon vs Argon:性能と料金、初回応答は約2倍遅い」で扱っています。
GPT-6 Astraは「GPT-6」と同じモデルですか?
GPT-6 AstraはOpenAIのGPT-6系で最上位のモデルで、GPT-6.1 Astraというモデルはありません。同じ系列にはGPT-6 SolとLuna、GPT-6.1 SolとTerraがあり、ChatGPTの無料プランで使われるGPT-6はLunaです。各モデルの関係とAPI料金は「GPT-6 Sol・Luna・AstraとTerraの違い:API料金と用途から選ぶ」にまとめています。
参考資料7
本文で参照している外部ページを、登場順に並べています。最終更新日:2026年11月4日。
参考資料7
本文で参照している外部ページを、登場順に並べています。最終更新日:2026年11月4日。
- 1.AAの両モデル比較ページartificialanalysis.ai/models/comparisons/gemini-4-argon-vs-gpt-6-astra
- 2.Argonのモデルページartificialanalysis.ai/models/gemini-4-argon
- 3.Gemini APIの思考に関するドキュメントai.google.dev/gemini-api/docs/thinking
- 4.GoogleのGemini 4 Argon発表記事blog.google/innovation-and-ai/models-and-research/gemini-models/gemini-4-argon
- 5.ValsのGemini 4 Argon評価ページvals.ai/models/google_gemini-4-argon
- 6.Gemini APIの料金ページaistudio.google.com/docs/pricing
- 7.OpenAI APIの料金ページdevelopers.openai.com/api/docs/pricing





