Vertex AIでNano Bananaを動かす設定と料金
Vertex AIの新規利用はNano Banana 2.1をglobalで。Nano Banana 2も2027年5月28日以降まで使え、定価はGemini APIと同じです。
目次

2026年10月8日時点で、Vertex AI経由でNano Bananaを動かすために押さえる点は3つです。
- モデルIDはGA版を使う。新しく始めるならNano Banana 2.1の
gemini-nano-banana-2.1です。Nano Banana 2はgemini-3.1-flash-image、Nano Banana Proはgemini-3-pro-image、Nano Banana 2 Liteはgemini-3.1-flash-lite-imageです。 - locationは
globalを指定する。2.1、Pro、Liteはglobalでしか提供されておらず、Nano Banana 2だけがusとeuにも対応しています。 - Google Gen AI SDKでは
GOOGLE_GENAI_USE_ENTERPRISE=True(またはコード内でenterprise=True)を付け、APIキーではなくGoogle Cloudプロジェクトの認証情報で呼び出す。
2026年9月24日の公開時からの変更点は、2026年10月6日にNano Banana 2.1がVertexでもGAになったことです。1枚の定価は1Kが$0.0336、2Kが$0.0504、4Kが$0.1134で、Nano Banana 2の1K・2Kのちょうど半額です。ただし2.1ではseed、topK、logprobs、temperature、topPを指定するとAPIエラーになり、Flex PayGoにも対応していません。
Nano Banana 2はGemini API(AI StudioのAPIキー)では非推奨になりましたが、提供終了日は発表されていません。Vertexでは引き続きGAで、提供終了は「2027年5月28日以降」です。稼働中のNano Banana 2のコードを急いで書き換える必要はありませんが、新しいプロジェクトは2.1から始めるのが無難です。
2025年から2026年前半のコードで使われていたgemini-3-pro-image-previewやgemini-3.1-flash-image-previewは、2026年7月17日にVertex側で提供が終了しています。画像1枚あたりの定価はGemini API(有料枠)と同じなので、Vertexを選ぶ理由は安さではなく、IAMによる認証、Google Cloudの請求へのまとめ、VPC Service ControlsやCMEKといった管理機能にあります。
名称とモデルIDの対応表:新規は2.1、Nano Banana 2も継続
2026年4月22日、GoogleはVertex AIをGemini Enterprise Agent Platformに統合しました。Vertex AI StudioはAgent Studio、Vertex AI APIはAgent Platform APIという名前になり、公式ドキュメントもdocs.cloud.google.com/gemini-enterprise-agent-platform/以下に移っています(リリースノート)。「Vertex AI」と「Agent Platform」は同じサービスを指し、APIのホストも今まで通りaiplatform.googleapis.comです。コードで変わったのはSDKのフラグで、google-genaiではenterpriseが現在の指定、vertexaiは従来の指定として残っています。
Agent Platformで使えるNano Bananaモデルは次の通りです。
| 通称 | モデルID | Agent Platformでの状態 | 使えるlocation | 出力解像度 |
|---|---|---|---|---|
| Nano Banana 2.1 | gemini-nano-banana-2.1 | GA(2026年10月6日)、提供終了日は未発表 | globalのみ | 1K、2K、4K |
| Nano Banana 2 | gemini-3.1-flash-image | GA(2026年5月28日)、廃止は2027年5月28日以降 | global、us、eu | 512、1K、2K、4K |
| Nano Banana Pro | gemini-3-pro-image | GA(2026年5月28日)、廃止は2027年5月28日以降 | globalのみ | 1K、2K、4K |
| Nano Banana 2 Lite | gemini-3.1-flash-lite-image | GA(2026年6月23日)、廃止は2027年6月28日以降 | globalのみ | 1K |
| Nano Banana(初代) | gemini-2.5-flash-image | 非推奨、Vertexでは2027年3月15日に廃止予定 | globalと米国・欧州の各リージョン | 1024×1024相当 |
| 旧preview版 | gemini-3.1-flash-image-preview、gemini-3-pro-image-preview | 2026年7月17日に提供終了 | — | — |
モデルごとの状態とlocationは、Nano Banana 2.1(2026年10月6日更新)、Nano Banana 2、Nano Banana Pro、Nano Banana 2 Lite、初代Nano Bananaの各モデルページと、Agent Platformのモデルバージョンと提供終了日の一覧によります。廃止日は過去にも延長されたことがあるので、長期運用ではモデルページの「Retirement date」を定期的に確認してください。
2.1とNano Banana 2では、提供期間の約束の仕方が違います。同じ一覧で、Nano Banana 2、Pro、Liteは「2027年5月28日以降」のように最短の提供期間が示されていますが、2.1は「短期提供のモデル」の表に入っていて、提供終了日は「No retirement date announced」です。この表のモデルは、後継が出て終了日が告知されるまで使え、告知から終了までは少なくとも45日あると説明されています。同じIDを長く固定したい本番処理では、最短の提供期間が示されているNano Banana 2の方が見通しを立てやすくなります。
Nano Banana 2.1に切り替えるときの注意点
Vertex AIのNano Banana 2.1モデルページによると、Nano Banana 2から移すときに確認する点は次の通りです。
seed、topK、logprobs、temperature、topPを設定すると、2.1ではAPIエラーになります。Nano Banana 2のコードでこれらを指定していたら削除します。- 出力解像度は1K、2K、4Kで、Nano Banana 2の512はありません。
- locationは
globalだけです。us・euでNano Banana 2を動かしているなら、2.1に移すと処理場所の条件が変わります。 - 消費オプションはStandard PayGo、Provisioned Throughput、バッチ推論で、Flex PayGoには対応していません。バッチ推論の単価はStandardの半額です。固定の割り当て(Fixed quota)は「Not supported」です。
- 参照画像は1回最大14枚、思考(Thinking)とGoogle検索・画像検索によるグラウンディングに対応し、C2PAのContent Credentialsも付きます。
Gemini APIの画像生成ガイドでもNano Banana 2は「前の世代」とされ、新しいプロジェクトには2.1が勧められています。2.1そのものの特徴と実際の出力は「Nano Banana 2.1とは?料金とNano Banana 2との違い、実測6回」、Proとの出来の違いは「Nano Banana 2.1・Pro・GPT Image 2.5の違い:9課題を1回ずつ実測」で扱っています。
古いコードが「モデル名」で止まる理由
preview版のIDを使ったコードは、importもクライアントの作成も問題なく通ります。google-genaiはモデルIDを手元で検証しないためです。バージョン2.25.0(2026年9月22日リリース)で確かめると、gemini-3.1-flash-image-previewを指定しても.../models/gemini-3.1-flash-image-preview:generateContentという送信先URLがそのまま組み立てられ、失敗するのはリクエストがGoogleに届いてからです。生成の段階で初めて失敗するなら、まずモデルIDを疑ってください。
置き換え先は-previewを外したIDです。2026年7月17日付のリリースノートにはgemini-3-flash-imageへの移行を促す一文がありますが、同じノートの5月28日付の移行表とモデルページでは、Pro版の移行先はgemini-3-pro-imageになっています。gemini-3.1-flash-image-previewを使っていたコードは、-previewを外して動かすほかに、この機会にgemini-nano-banana-2.1へ移す選択肢もあります。その場合は上の注意点のとおり、temperatureなどのパラメータを外してください。
同じモデルIDでも終了日が違う:Nano Banana 2と初代
Gemini API(AI StudioのAPIキー)とAgent Platformは同じモデルIDを使いますが、提供終了日は別々に決まっています。2026年10月8日時点の状況は次の通りです。
| モデルID | Gemini API | Vertex AI(Agent Platform) |
|---|---|---|
gemini-3.1-flash-image(Nano Banana 2) | 非推奨、提供終了日は未発表。移行先はgemini-nano-banana-2.1 | GA、提供終了は2027年5月28日以降 |
gemini-2.5-flash-image(初代) | 廃止予定ページでは2027年3月15日、料金ページの警告は2026年10月2日のまま | 2027年3月15日に提供終了、移行先はgemini-3.1-flash-lite-image |
Nano Banana 2は、Gemini APIでは非推奨でもVertexでは期限の決まったGAモデルです。Vertexで使っている限り急ぐ理由はなく、2.1への移行は新規開発や次の改修のタイミングで進めれば足ります。Gemini API側の非推奨はGemini APIの廃止スケジュールに載っています。2.1の公開当日に一時表示されていた終了日は、その後の更新で削除されました。
初代のgemini-2.5-flash-imageは、Google自身のページで日付が食い違っています。Gemini APIの廃止スケジュールは2027年3月15日ですが、Gemini APIの料金ページには「2026年10月2日に提供終了」という警告が残っています。Vertexでは2027年3月15日です。どちらの経路でも初代モデルに依存し続けるのは避け、gemini-3.1-flash-lite-imageや2.1への移行を先に済ませておく方が安全です。
Vertex経由にするか、AI StudioのAPIキーで足りるか
「Google Gemini API方式(APIキーが必要)」と「Google Cloud API方式(project・locationが必要)」という区別が、そのままGemini APIとVertexの違いです。
| 項目 | Gemini API(AI StudioのAPIキー) | Vertex AI(Agent Platform) |
|---|---|---|
| 認証 | APIキー | ADCやサービスアカウントのアクセストークン(expressモードのみAPIキー) |
| 送信先 | generativelanguage.googleapis.com | aiplatform.googleapis.com(us・euは専用ホスト) |
| SDKの指定 | api_key | enterprise=Trueとproject・location |
| 公式サンプルの書き方 | Interactions API中心 | generateContentとimageConfig |
| 画像出力の定価 | 100万トークンあたりNano Banana 2.1は$30、Nano Banana 2は$60 | globalは同額、Nano Banana 2のus・euは10%高い |
| Nano Banana 2の扱い | 非推奨(提供終了日は未発表) | GA(提供終了は2027年5月28日以降) |
| 無料で試す方法 | Nano Banana 2.1、2、Proには無料枠がない | Google Cloud無料トライアルの$300クレジット |
| 処理能力の上限 | Gemini APIの利用枠に従う | 画像モデルは共有容量で上限値は非公開、Provisioned Throughputで予約可能 |
| 管理機能 | — | データ所在地、CMEK、VPC-SC、アクセスの透明性(AXT) |
Google自身も移行ガイドで「特定のエンタープライズ向け管理機能が必要な場合を除き、ほとんどの開発者はGemini Developer APIを使うべき」と書いています。判断の目安は次の通りです。
- Vertexが向くのは、会社のGoogle Cloud請求にまとめたい場合、APIキーを配らずサービスアカウントで運用したい場合、VPC-SCやCMEKが社内規程で必要な場合、画像生成の処理を米国またはEU内に留めたい場合(Nano Banana 2のみ)、Provisioned Throughputで容量を確保したい場合です。
- 個人開発や小規模な検証で、キー1本で済ませたいならGemini APIで足ります。手順は「Nano Banana API Key ガイド 2026:公式 Gemini モデル、料金、動くコード」にまとめています。
- 日本国内にデータ処理を留める必要がある場合、どのNano Bananaモデルのページにも東京などアジアのリージョンは載っていません。この要件はNano Bananaでは満たせないので、社内の要件側で
globalを許容できるか確認が必要です。
画像に限らずGemini全般でどちらの基盤を選ぶかは、「Gemini API と Vertex AI API の選び方:速く始めるか、クラウド運用で固めるか」で比較しています。
最初の1枚を生成する
事前に、Google Cloudプロジェクトで課金を有効にし、Agent Platform API(サービス名aiplatform.googleapis.com)を有効化しておきます。呼び出すユーザーやサービスアカウントには、roles/aiplatform.userなどモデルの予測を実行できるロールが必要です。
コードを書く前に動作だけ見たい場合は、コンソールのAgent Studioで試せます。英語UIでは「Create prompt」を開き、「Switch model」でモデルを選び、「Outputs」パネルで「Image and text」を選んでからプロンプトを送ります。
ローカルでの認証と環境変数
pip install --upgrade google-genai
gcloud auth application-default login
export GOOGLE_CLOUD_PROJECT=your-project-id
export GOOGLE_CLOUD_LOCATION=global
export GOOGLE_GENAI_USE_ENTERPRISE=Truegcloud auth application-default loginはローカル開発用のアプリケーションのデフォルト認証情報(ADC)を作ります。Cloud RunやGKEなどGoogle Cloud上で動かす場合は、実行環境にサービスアカウントを割り当てれば同じコードがその権限で動くので、鍵ファイルを配る必要はありません。環境変数3つは公式の画像生成ガイドのPythonサンプルと同じ組み合わせです。
Python
from google import genai
from google.genai import types
# 環境変数からenterprise・project・locationを読み込む
client = genai.Client()
# 明示する場合:
# client = genai.Client(enterprise=True, project="your-project-id", location="global")
response = client.models.generate_content(
model="gemini-3.1-flash-image", # 新規なら"gemini-nano-banana-2.1"
contents="夕暮れの京都の路地を歩く三毛猫、映画のようなライティング",
config=types.GenerateContentConfig(
response_modalities=["TEXT", "IMAGE"],
image_config=types.ImageConfig(aspect_ratio="16:9", image_size="2K"),
),
)
for i, part in enumerate(response.candidates[0].content.parts):
if part.text:
print(part.text)
elif part.inline_data:
ext = part.inline_data.mime_type.split("/")[-1]
with open(f"nano-banana-{i}.{ext}", "wb") as f:
f.write(part.inline_data.data)このコードでgoogle-genai 2.25.0が組み立てる送信先はhttps://aiplatform.googleapis.com/v1beta1/projects/your-project-id/locations/global/publishers/google/models/gemini-3.1-flash-image:generateContentで、生成設定はimageConfigのaspectRatio・imageSizeとして送られます。書き換えるときの注意点は次の通りです。
- 新しく始めるなら
model="gemini-nano-banana-2.1"に替えます。2.1ではimage_sizeは"1K"・"2K"・"4K"のいずれかにし、temperatureやtop_p、top_k、seedをGenerateContentConfigに入れないでください(APIエラーになります)。送信先URLはモデルIDの部分が替わるだけです。 - Proを使うなら
model="gemini-3-pro-image"、Liteならgemini-3.1-flash-lite-imageに替えます。Liteは1Kしか出力できないのでimage_sizeは外すか"1K"にします。 - 既存コードの
vertexai=Trueは今もenterprise=Trueと同じ送信先になるので、急いで書き換える必要はありません。ただしenterprise=Trueとvertexai=Falseを同時に書くとエラーになります。 ImageConfigのoutput_mime_type、output_compression_quality、prominent_people、image_output_optionsは、SDKの説明で「Gemini APIでは非対応」とされているAgent Platform専用の項目です。これらを使うコードはAPIキー方式にそのまま戻せません。
REST(curl)
PROJECT_ID=your-project-id
MODEL_ID=gemini-3.1-flash-image # Nano Banana 2.1ならgemini-nano-banana-2.1
curl -X POST \
-H "Authorization: Bearer $(gcloud auth print-access-token)" \
-H "Content-Type: application/json" \
"https://aiplatform.googleapis.com/v1/projects/${PROJECT_ID}/locations/global/publishers/google/models/${MODEL_ID}:generateContent" \
-d '{
"contents": [{"role": "user", "parts": [{"text": "夕暮れの京都の路地を歩く三毛猫"}]}],
"generationConfig": {
"responseModalities": ["TEXT", "IMAGE"],
"imageConfig": {"aspectRatio": "16:9", "imageSize": "2K"}
}
}' > response.json画像はcandidates[0].content.parts[]のinlineData.dataにBase64で入って返ります。公式のRESTサンプルはv1、Python SDKはv1beta1を使いますが、どちらも同じgenerateContentです。
expressモードのAPIキー
APIキーでVertexを使いたい場合は、expressモードが用意されています。@gmail.comのGoogleアカウント向けのプレビュー機能で、Google Cloudを初めて使う人は、支払い情報なしで最大90日間、割り当ての範囲内で無料で試せます。SDKではgenai.Client(enterprise=True, api_key="...")と書き、projectとlocationは指定しません。
ただし、次の条件で扱いが変わります。
- すでにGoogle Cloudを使っている人や、課金を有効にした時点で、90日間の無料枠はなくなり有料枠に切り替わります。
- Google Cloudの無料トライアル($300クレジット)とは別の仕組みで、無料トライアル経由では使えません。
- 2026年9月24日時点で、expressモードの対応モデル表には提供終了済みのpreview版IDと初代
gemini-2.5-flash-image(毎分10リクエスト)が載ったままで、GA版のgemini-3.1-flash-imageやgemini-3-pro-imageが無料枠で使えるかは記載がありません。その後に出た2.1も含め、Nano Bananaを無料で使える前提で計画を立てるのは避けてください。
ai.google.devのコードをそのまま移さない
Gemini APIのドキュメント(ai.google.dev)は、Nano Bananaの例をInteractions API(client.interactions.createとresponse_format)で書くようになりました。一方、Agent Platformの画像生成ガイドに載っているのはgenerate_contentとimage_configの形だけで、Vertexの2.1のモデルページでもInteractions API(プレビュー)は「Not supported」です。ai.google.devのサンプルを出発点にしてVertexへ移すなら、上のPythonコードの形に書き換えるのが確実です。Gemini API側のリクエスト構造は「Nano Banana Pro APIの使い方:公式JSON、YAML、PDF入力を整理」で詳しく扱っています。
locationの選び方と送信先
locationの値によって、SDKが接続するホストと使えるモデル、さらに料金まで変わります。google-genai 2.25.0でクライアントを作ったときの送信先は次の通りです。
locationの値 | SDKが接続するホスト | 使えるNano Banana |
|---|---|---|
global | https://aiplatform.googleapis.com/ | すべてのモデル(2.1、Pro、Liteはここだけ) |
us | https://aiplatform.us.rep.googleapis.com/ | Nano Banana 2のみ |
eu | https://aiplatform.eu.rep.googleapis.com/ | Nano Banana 2のみ |
us-central1などの個別リージョン | https://us-central1-aiplatform.googleapis.com/ | 初代gemini-2.5-flash-imageのみ |
| なし(expressモードのAPIキー) | https://aiplatform.googleapis.com/ | expressモードの対応モデル |
迷ったらglobalです。Googleは複数リージョンにまたがる大きな容量を使え、空きのある場所へリクエストを振り分けられるglobalエンドポイントをベストプラクティスとしています(Standard PayGoの説明)。us・euは2026年8月31日にNano Banana 2向けに追加されたマルチリージョンで、画像生成の処理を米国またはEU内に留めたい場合に選びます。その代わり画像出力の単価はglobalより10%高くなります。
よくある落とし穴がus-central1です。公式ガイドのNode.jsサンプルは、GOOGLE_CLOUD_LOCATIONが未設定だとus-central1を使い、モデルも初代のgemini-2.5-flash-imageになっています。モデル名だけNano Banana 2.1、2、Proに書き換えると、us-central1はどのモデルページにも載っていないlocationなので動きません。Node.jsでもPythonでも、GOOGLE_CLOUD_LOCATION=globalを明示しておくのが安全です。
解像度別の1枚あたりコスト:2.1は1Kで$0.0336
Vertexの画像出力はトークン課金です。1枚のコストは次の式で計算できます。
1枚の出力コスト=出力画像のトークン数×画像出力の単価(100万トークンあたり)÷1,000,000
出力画像のトークン数は解像度で決まり、Nano Banana 2.1は1Kで1,120、2Kで1,680、4Kで3,780トークン、Nano Banana 2は512で747、1Kで1,120、2Kで1,680、4Kで2,520トークン、Proは1Kと2Kが1,120、4Kが2,000トークン、Liteは1Kで1,120トークンです。これをAgent Platformの料金ページの単価に当てはめると、2026年10月8日時点の定価は次のようになります(USD、画像出力分のみ)。
| モデルと料金区分 | 画像出力の単価(100万トークン) | 512 | 1K | 2K | 4K |
|---|---|---|---|---|---|
Nano Banana 2.1 Standard(global) | $30 | — | $0.0336 | $0.0504 | $0.1134 |
Nano Banana 2.1 Batch(global、Flexは非対応) | $15 | — | $0.0168 | $0.0252 | $0.0567 |
Nano Banana 2 Standard(global) | $60 | $0.0448 | $0.0672 | $0.1008 | $0.1512 |
Nano Banana 2 Standard(us・eu) | $66 | $0.0493 | $0.0739 | $0.1109 | $0.1663 |
Nano Banana 2 Flex・Batch(global) | $30 | $0.0224 | $0.0336 | $0.0504 | $0.0756 |
| Nano Banana Pro Standard | $120 | — | $0.1344 | $0.1344 | $0.24 |
| Nano Banana Pro Flex・Batch | $60 | — | $0.0672 | $0.0672 | $0.12 |
| Nano Banana 2 Lite Standard | $30 | — | $0.0336 | — | — |
| Nano Banana 2 Lite Flex・Batch | $15 | — | $0.0168 | — | — |
表の読み方で押さえておきたい点があります。
- 2.1の画像出力は1Kと2KでNano Banana 2のちょうど半額、4Kでは$0.1134÷$0.1512=0.75で約25%安くなります。料金ページの脚注では4Kが$0.113と丸めて書かれていますが、3,780×$30÷1,000,000=$0.1134です。
- 2.1はFlex PayGoに対応していませんが、料金ページの「Flex/Batch/Off-peak」の表には2.1も載っていて、バッチ推論の単価はStandardの半額です。100万トークンあたり画像出力が$15、入力が$0.75、テキストと思考の出力が$3.75です。1枚あたりは1Kが$0.0168、2Kが$0.0252、4Kが$0.0567になります。すぐに結果が要らない大量生成を半額で回すなら、2.1ではFlexではなくバッチ推論を使います。
- Proは1Kと2Kのトークン数が同じなので、Proを使うなら2Kにしても1枚の出力コストは変わりません。
- バッチ推論はどのモデルでもStandardの半額で、Flex PayGoも2.1以外のモデルでは半額です。すぐに結果が要らない大量生成なら、たとえばNano Banana 2の2Kを1,000枚作る場合、Standardで約$100.80、バッチで約$50.40になります。
- 表は画像出力だけの金額です。参照画像を入力すると、参照画像1枚につきNano Banana 2.1で1,120トークン(入力単価$1.50なので約$0.00168)、Nano Banana 2で1,120トークン(約$0.00056)、Proで560トークン(約$0.00112)が加わり、テキストや思考のトークンは別途テキスト出力の単価で課金されます。この単価はNano Banana 2が100万トークンあたり$3、2.1は$7.50で、たとえば思考とテキストで1,000トークン出力すると、2.1では1枚あたり$0.0075が上乗せされます。
- 料金ページによると、課金されるのはHTTP 200を返したリクエストだけで、429などの4xxや5xxは入出力とも課金されません。
- 初代の
gemini-2.5-flash-imageは1024×1024の画像1枚が1,290トークンで、約$0.039です。

Gemini APIの料金ページでも、Nano Banana 2.1、2、Proの画像出力単価はglobalと同じ額です。Vertexにしても安くはならず、高くなるのはNano Banana 2でus・euを選んだときだけです。Gemini API側の料金をNano Banana 2と2.1で比べた内訳は「Nano Banana 2 API料金:1枚$0.045〜$0.151、2.1なら1K・2Kが半額」にあります。
無料で試したい場合、Gemini APIではNano Banana 2.1、2、Proに無料枠がありません。Google Cloudの無料トライアル(90日間・$300クレジット)は、対象外として「AI StudioでのGemini APIの料金」を挙げていますが、Agent Platform上のGeminiは対象外の一覧に入っていないため、Vertex経由のNano Bananaに充てられると読めます。実際に、このクレジットでVertex経由のNano Banana Proを試した手順がMakari 氏の note 記事で公開されています(Makari、2026年1月13日)。
エラー文から原因を切り分ける
下のエラー文は、google-genai 2.25.0を認証情報のない環境で動かし、クライアントを組み立てた段階で出る例外を記録したものです。Googleにはリクエストを送っていないため、サーバーが返すエラー文や生成時間は含みません。SDKのバージョンが変わると文言も変わることがあります。
| 表示されるメッセージ・症状 | 原因 | 直し方 |
|---|---|---|
ValueError: Gemini API does not support project/location. | projectとlocationを渡したのにenterpriseの指定がなく、Gemini API向けのクライアントとして作られた | enterprise=Trueを付けるか、GOOGLE_GENAI_USE_ENTERPRISE=Trueを設定する |
ValueError: No API key was provided... | 何も設定されていない。環境変数を設定したつもりでも、IDE・Docker・cronなど実行中のプロセスに届いていない | 実際に動くプロセスの環境で3つの環境変数を設定する |
Missing key inputs argument! ... provide (vertexai, project & location) arguments. | 古いSDKで起きていた、上の2つと同じ原因のエラー | SDKを更新し、同じ設定を行う |
ValueError: enterprise and vertexai flags have conflicting values... | enterprise=Trueとvertexai=Falseを同時に指定している | enterpriseだけを残す |
DefaultCredentialsError: Your default credentials were not found... | ADCが作られていない | ローカルはgcloud auth application-default login、本番はサービスアカウントを割り当てる |
| 「Both GOOGLE_GENAI_USE_ENTERPRISE and GOOGLE_GENAI_USE_VERTEXAI are set with conflicting values」という警告 | 2つの環境変数の値が食い違っている(GOOGLE_GENAI_USE_ENTERPRISEが優先される) | どちらか一方を削除する |
| クライアントは作れるが、生成リクエストで失敗する | preview版のIDを使っている、モデルが対応していないlocation(2.1やProとusなど)を指定している | 上の対応表でIDとlocationを確認する |
| 2.1に切り替えたら生成リクエストがエラーになる | temperature、top_p、top_k、seed、logprobsのどれかを指定している(2.1のモデルページにAPIエラーになると明記) | これらのパラメータを外す。解像度もモデルページにある1K・2K・4Kから選ぶ |
429 Resource exhausted, please try again later. | 共有の処理能力を超えた | 次の節の手順で対処する |

ValueErrorやDefaultCredentialsErrorはすべて手元で起きるエラーなので、課金は発生しません。Google側の障害かどうかを見分けたいときは「Nano Banana 2は障害中?公式ステータスと自分だけの不具合を切り分ける」の手順が使えます。
429が続くとき
Vertexの429には2種類あり、従量課金(PayGo)ではResource exhausted, please try again later.、Provisioned Throughputの枠を超えた場合はToo many requests. Exceeded the Provisioned Throughput.と返ります(エラーコード429の説明)。
Nano Bananaの画像モデルには、1分あたり何枚まで生成できるという公開された上限値がありません。Standard PayGoの説明では、Gemini 3.1 Flash Image、3.1 Flash-Lite Image、3 Pro Image、2.5 Flash Imageの4モデルについて、Standard PayGoには対応するものの、支出額に応じて処理能力の基準値が上がる利用枠(Usage Tiers)は適用されないと明記されています。各モデルページでも固定の割り当て(Fixed quota)は「Not supported」で、後から出た2.1のモデルページも同じです。つまり、画像生成の処理能力は他の利用者と共有する容量からベストエフォートで割り当てられ、支出を増やしたり割り当ての引き上げを申請したりして上限を上げる方法は用意されていません。
そのうえで効果があるのは、Googleが429の対処として挙げている次の方法です。
- 個別リージョンや
us・euではなくglobalエンドポイントを使う。 - 上限付きの指数バックオフで再試行する。google-genai 2.25.0は初期設定では再試行しないため、
HttpRetryOptionsで有効にします(下のコード)。 - 生成リクエストをキューに入れて時間的に均し、秒単位の集中を避ける。Standard PayGoの説明には、1分あたりの平均が少なくても、瞬間的に集中したリクエストは制限されることがあると書かれています。
- 利用量を急に増やさず、段階的に増やす(急増すると加速制限で429になることがある)。
- 確実に処理能力が必要な本番処理はProvisioned Throughputで容量を予約する。
from google import genai
from google.genai import types
client = genai.Client(
http_options=types.HttpOptions(
retry_options=types.HttpRetryOptions(attempts=5),
),
)HttpRetryOptionsを渡すと、SDKは408、429、500、502、503、504の応答を受けたときに、約1秒から始めて待ち時間を倍にしながら再試行します(attemptsは最初の1回を含む回数)。料金の節で触れた通り、429などのエラーになったリクエストは課金されませんが、再試行が成功すればその分は課金されます。
参考までに、Google AI Developers Forumでは2026年1〜3月に、Vertex経由のNano Banana Proで「利用量が少ないのに429が続く」「同時5〜6リクエストで429になる」という報告が出ていました。Gemini APIに切り替えたら解消したという投稿や、1月8日にGoogle側が修正を入れたという回答もあります。いずれもpreview版の時期の個別報告で、現在のGA版の安定性を示すものではありません。Gemini API側の制限の仕組みは「Nano Banana 2 の制限は1日何回?回復の仕組み」で解説しています。
ウォーターマーク:見えるロゴとSynthIDは別物
Vertexで生成した画像に目に見えるロゴは入らず、Agent Platformのドキュメントにもロゴを重ねるという記載はありません。ただし、見えない透かしは入っています。Geminiの画像生成ドキュメントは「生成されるすべての画像にSynthIDの透かしが含まれる」と明記しており、Google Cloudのブログも、Vertex上のNano BananaにSynthIDが組み込まれていること、Nano Banana 2ではSynthIDとC2PAのコンテンツ認証情報(Content Credentials)を組み合わせていることを説明しています。モデルページでもNano Banana 2.1、2、ProはC2PA対応です。
つまり、Vertexで生成した画像も、SynthIDの検出やC2PAのメタデータによってAI生成だと確認できます。「AI生成であることが分からない画像」を作る手段としてVertexを選ぶことはできません。
Vertex固有の管理機能が要らない場合の別経路
VPC-SC、CMEK、データ所在地、GoogleのSLA、Provisioned Throughputのどれも必要ない場合や、会社でGoogle Cloudの請求アカウントを開けない場合は、Nano Bananaを1回単価で提供しているlaozhang.aiも選択肢になります。これはVertexではなく第三者のAPIサービスで、上に挙げた管理機能はありません。
注記:laozhang.ai は当ブログ運営チームの自社サービスです。その料金は中立的な比較ではなく、自社の提示価格です。
2026年10月8日時点の公開価格は、gemini-nano-banana-2.1が1回$0.045(laozhang.aiのNano Banana 2.1の説明ページ)、gemini-3.1-flash-imageが$0.055、gemini-3-pro-imageが$0.09、gemini-3.1-flash-lite-imageが$0.025で、出力解像度によって変わりません。2.1の$0.045には思考トークンの分も含まれ、2026年10月8日に2.1を呼び出した際の課金も毎回$0.045でした。
上の表のStandardの定価と比べると、2.1では1K($0.0336)ならVertexの方が安く、2K($0.0504)と4K($0.1134)では1回単価の方が安くなります。ただしVertexでは思考とテキストの出力分が別に加わるので、2Kの差は実際にはもう少し開きます。Nano Banana 2では1K以上、Proでは全解像度で1回単価の方が安くなります。反対に、Nano Banana 2の512($0.0448)や、バッチ推論で処理できる大量生成では、Vertexの方が安くなる場面が増えます。2.1のバッチは1Kが$0.0168、2Kが$0.0252で1回単価を下回り、4K($0.0567)だけが上回ります。Nano Banana 2のFlex・Batchも4K($0.0756)以外は$0.055より安くなります。接続先はhttps://api.laozhang.aiで、Geminiと同じgenerateContent形式のリクエストにimageConfigを付けて呼べるため、上のRESTの例と近い形で試せます。
参考資料19
本文で参照している外部ページを、登場順に並べています。最終更新日:2026年10月8日。
参考資料19
本文で参照している外部ページを、登場順に並べています。最終更新日:2026年10月8日。
- 1.リリースノートdocs.cloud.google.com/gemini-enterprise-agent-platform/release-notes
- 2.Nano Banana 2.1docs.cloud.google.com/vertex-ai/generative-ai/docs/models/gemini/nano-banana-2-1
- 3.Nano Banana 2docs.cloud.google.com/gemini-enterprise-agent-platform/models/gemini/3-1-flash-image
- 4.Nano Banana Prodocs.cloud.google.com/gemini-enterprise-agent-platform/models/gemini/3-pro-image
- 5.Nano Banana 2 Litedocs.cloud.google.com/gemini-enterprise-agent-platform/models/gemini/3-1-flash-lite-image
- 6.初代Nano Bananadocs.cloud.google.com/gemini-enterprise-agent-platform/models/gemini/2-5-flash-image
- 7.Agent Platformのモデルバージョンと提供終了日の一覧docs.cloud.google.com/vertex-ai/generative-ai/docs/learn/model-versions
- 8.画像生成ガイドai.google.dev/gemini-api/docs/image-generation
- 9.Gemini APIの廃止スケジュールai.google.dev/gemini-api/docs/deprecations
- 10.Gemini APIの料金ページai.google.dev/gemini-api/docs/pricing
- 11.移行ガイドai.google.dev/gemini-api/docs/migrate-to-cloud
- 12.公式の画像生成ガイドdocs.cloud.google.com/vertex-ai/generative-ai/docs/multimodal/image-generation
- 13.expressモードdocs.cloud.google.com/vertex-ai/generative-ai/docs/start/express-mode/overview
- 14.Standard PayGoの説明docs.cloud.google.com/vertex-ai/generative-ai/docs/dynamic-shared-quota
- 15.Agent Platformの料金ページcloud.google.com/vertex-ai/generative-ai/pricing
- 16.無料トライアルdocs.cloud.google.com/free/docs/free-cloud-features
- 17.Makari 氏の note 記事note.com/makari_5108010/n/n46facecec769
- 18.エラーコード429の説明docs.cloud.google.com/vertex-ai/generative-ai/docs/provisioned-throughput/error-code-429
- 19.Google AI Developers Forumdiscuss.ai.google.dev/t/nano-banana-pro-vertex-ai-api-unreliable/113884





