Geminiエージェントの料金と使える人:法人版は追加料金なしの予定
法人向けGeminiエージェントは2026年10月時点でプレビュー中で単体価格は未公表。アドオン不要で従量課金が基本、一般提供は10月末〜11月初めの見込みと報じられています。
目次

Google Cloudが2026年10月8日に発表した法人向けの「Geminiエージェント」(英語名はGemini agent)は、2026年10月10日時点でプライベートプレビュー中で、使えるのは一部の顧客だけです。エージェント単体の価格も公表されていません。Google Cloudの広報はVentureBeatの10月8日の記事で、広く提供が始まった段階では「Gemini Enterpriseを利用できる顧客には、既存のGoogle Workspaceのbusiness・enterpriseサブスクリプション経由も含め、追加料金なしで含まれる」と説明しています。
料金の仕組みについては、調査会社のConstellation Researchが、発表後のアナリスト向け質疑でのGoogle幹部の発言として、エージェントの利用は従量課金が基本で追加のSKUやアドオンは設けないこと、一般提供は10月末か11月初めの見込みであることを伝えています。いま確定額として見積もれるのは土台になるWorkspaceやGemini Enterpriseのライセンス費で、エージェントの利用分の単価と、どのプランが対象になるかはまだ公表されていません。個人のGoogle AI Pro/Ultraで使える「Gemini Spark」は別の製品で、仕事用・学校用のアカウントでは使えません。
Geminiエージェントは無料?追加料金なしでも利用分は従量課金
「追加料金なし」は「無料」と同じではありません。Google広報の説明は、Gemini Enterpriseを利用できる契約、つまりWorkspaceのbusiness・enterprise系サブスクリプションやGemini Enterpriseのライセンスを払っている組織に、エージェントを別売りのアドオンなしで加えるという意味です。土台のライセンス費は引き続きかかります。
広報はさらに、広い提供が始まればエージェントはGemini Enterpriseに直接組み込まれ、別のセットアップや専用サイトは不要になるとし、展開をソフトウェアのバージョンアップにたとえています。ただし、この説明はVentureBeatが伝えた広報コメントで、Google自身の製品ページやブログには同じ記述がありません。
一方、Constellation Researchの10月8日の記事は、イベント後のアナリスト向け質疑での幹部の発言として、Geminiエージェントの料金は従量課金が基本になり、追加のSKUやアドオンは設けないと伝えています。広報の「追加料金なし」と合わせて読むと、エージェントを使う権利に別料金はかからない一方、使った分は計量されて課金される可能性がある、ということになります。Workspaceについては現行プランが続き、エージェント利用分の具体的な従量の仕組みは後日示されるとされています。これはアナリストによる要約で、Googleのページや幹部の発言そのものではありません。
2026年10月10日時点の状況を項目ごとにまとめると次のとおりです。
| 項目 | 2026年10月10日時点 | 出典 |
|---|---|---|
| 提供状況 | 一部顧客限定のプライベートプレビュー | VentureBeat(Google Cloud広報) |
| 一般提供の時期 | 10月末か11月初めの見込み。確定した日付ではない | Constellation Research(アナリスト向け質疑の要約) |
| 料金の仕組み | 従量課金が基本。追加のSKUやアドオンは設けない | Constellation Research(アナリスト向け質疑の要約) |
| 既存契約との関係 | Gemini Enterpriseを利用できる顧客には追加料金なしで含まれる。Workspaceの現行プランは継続 | VentureBeat(Google Cloud広報)、Constellation Research |
| 利用分の単価・計量方法 | 未公表。Workspaceでの従量の仕組みは後日、詳細価格は「広い提供が近づいたら」示すとしている | Constellation Research、VentureBeat |
| 対象プラン | 「一部のBusiness・EnterpriseプランのWorkspace顧客」に近く提供と報道。Googleはプラン名を出していない | 9to5Googleの10月8日の記事 |
| coworkerエージェントのライセンス | 専用のWorkspaceアカウントを持つエージェントに別途ライセンス料がかかるかは未説明 | VentureBeat |
| coworkerエージェントの上限数 | 1組織で何体置けるかは未説明 | VentureBeat |
| 業界版(金融・法務) | 金融サービスと法務向けはプレビュー中、政府・医療・小売は近日。価格は記載なし | Google Cloud公式ブログの基調講演記事「Welcome to Gemini at Work 2026」 |
費用面で影響が大きいのは、利用分の単価・計量方法とcoworkerエージェントのライセンスです。エージェントを使う権利が追加料金なしでも、長時間の自律タスクやサブエージェントの利用量が課金対象になったり、coworkerエージェントごとにライセンスが必要になったりすれば、使い方しだいで請求額が変わります。
Geminiエージェントはどれ?法人向けとGemini Sparkの違い
10月8日に発表されたのは、Google Cloudが「仕事のための単一のユニバーサルエージェント」と呼ぶ法人向け製品です。質問への回答、資料作成、画像などのメディア生成、コードの作成と実行を1つのエージェントと1つのAPIで扱い、「指示ではなく目標を渡す」使い方を想定しています。Googleは発表の中でこのエージェントを単に「Gemini」と呼んでおり、似た名前の製品がいくつも並ぶ原因になっています。
| 名前 | 対象 | 何をするものか | 料金の状況 |
|---|---|---|---|
| Geminiエージェント(Gemini agent、2026年10月8日発表) | 法人(Google Cloud・Workspaceの顧客) | Web、iOS/Android、Windows/Macのデスクトップ、コマンドライン、Workspace、Microsoft 365、Slackから使う業務エージェント。Gmailやドキュメントでは@Geminiで呼び出す | 単体価格は未公表。従量課金が基本と報道 |
| Gemini Enterprise(製品ページの名称は「Gemini for Business」に変更) | 法人 | エージェントやデータ連携を組織で使うための土台。エディションごとの席課金 | 10月1日時点は$21〜、現在は営業への問い合わせ |
| Gemini for Workspace(Gmailやドキュメント内のGemini) | Workspaceの契約者 | Workspaceアプリに組み込まれたAIアシスタント | Workspaceの料金に含まれる(Business Starterは「制限あり」) |
| Workspace Studio | Workspaceの全プラン | AIエージェントで定型業務を自動化する機能 | Workspaceの料金に含まれる |
| Gemini Spark | 個人(Google AI Pro/Ultra、18歳以上) | 個人のGmailやドライブを使ってバックグラウンドで作業する個人向けエージェント | Google AI Pro/Ultraの料金 |
| 2025年11月の「Gemini Agent」 | 米国の個人向けGoogle AI Ultra加入者 | Ultra向けに出た以前のエージェント機能 | 法人向けエージェントの料金とは無関係 |
Gemini EnterpriseとGemini for Workspaceの違いについて、Googleヘルプの「Choose your edition」は、Gemini Enterpriseを社内外のシステムをつなぐ独立したエージェント基盤、Gemini for WorkspaceをGmail・ドキュメント・スプレッドシートに組み込まれたAIアシスタントと説明しています。10月8日のエージェントはこの両方にまたがり、Workspaceの中ではアプリ内のアシスタントとして、Gemini Enterpriseの側では業務システムにつながるエージェントとして動く位置づけです。
Gemini Sparkは名前も機能も近いものの、別の製品です。Gemini Sparkの利用条件を説明したGeminiアプリヘルプでは、18歳以上、個人のGoogleアカウントでのログイン、Google AI ProまたはUltraの契約、「Keep Activity」の設定がオンになっていることが条件です。仕事用・学校用のGoogleアカウントでは現時点で使えません。対象外の地域は欧州経済領域、ナイジェリア、スイス、英国で、日本はGeminiアプリの対応国なので対象に入ります。Sparkの紹介ページには「一部のビジネスユーザー」も利用できるという記述がありますが、実際の利用条件はヘルプの「仕事用アカウントでは使えない」が基準になります。
どの契約なら使える?個人・Workspace・Gemini Enterprise別
2026年10月10日時点の公開情報で判断すると、アカウントの種類ごとの状況は次のとおりです。「見込み」の列は広報説明と報道に基づくもので、Googleが対象プランを名指ししたものではありません。

| アカウント | 今使えるか | 広い提供後の見込み | いまやること |
|---|---|---|---|
| 個人のGoogleアカウント(無料) | 使えない | 法人向け製品なので対象外 | 個人用のエージェントが必要ならGoogle AI Pro/UltraでGemini Sparkを使う |
| 個人+Google AI Pro/Ultra | 法人向けエージェントは使えない。Gemini Sparkは使える | 法人向けエージェントは対象外 | Gemini Sparkを使う |
| Workspace Business Starter | プレビューに招待された組織以外は使えない | 公表なし。対象外になる可能性が高い(下記の推測) | 必要なら営業に確認、上位プランも比較する |
| Workspace Business Standard/Plus | プレビューに招待された組織のみ | 広報の「business・enterpriseサブスクリプション経由も含む」に当たると読めるが、プラン名は未公表 | 展開を待つ。早く使いたければ営業にプレビューを相談 |
| Workspace Enterprise系 | プレビューに招待された組織のみ | Business Standard/Plusと同じ | 同上 |
| Gemini Enterprise(Business/Standard/Plus) | プレビューに招待された組織のみ | 「Gemini Enterpriseを利用できる顧客には追加料金なし」の対象 | 営業にプレビューを相談し、Cloud Billingの支出上限を先に設定 |
| どちらも契約していない企業 | 使えない | WorkspaceかGemini Enterpriseの契約が前提 | Gemini Enterprise Plusの30日無料トライアルで土台を試す |
| Google Cloudの開発者(API利用) | エージェントのAPI提供条件は未公表 | Agent Platformは従量課金 | APIの選び方は下のよくある質問を参照 |
Business Starterについては、Googleは対象かどうかを明らかにしていません。ただ、Google Workspaceの料金ページではStarterの「各種 Workspace アプリ内の Gemini」が「制限あり」、Geminiアプリが「基本的なアクセス」で、ドキュメント・スプレッドシート・スライド・ドライブ・Chat内のGeminiは含まれていません。エージェントはこれらのアプリで@Geminiとして呼び出す仕組みなので、報道の「一部のプラン」から外れる可能性が最も高いのはStarterだと考えられます。これは推測で、Googleの発表ではありません。
いま払う料金:Workspace $7〜$22、Gemini Enterpriseは表示なし
エージェント単体の価格がない以上、予算に組めるのは土台の契約費です。ここではWorkspaceとGemini Enterpriseの2つを分けて見ます。
Workspaceの料金:Starter $7、Standard $14、Plus $22
Google Workspaceの料金ページに表示されている価格は、年間プランの1ユーザーあたり月額で次のとおりです(米ドル、2026年10月10日時点)。
| プラン | 月額(1ユーザー) | Gemini関連の表示 |
|---|---|---|
| Business Starter | $7 | Workspaceアプリ内のGeminiは「制限あり」、Geminiアプリは「基本的なアクセス」 |
| Business Standard | $14 | Workspaceアプリ内のGeminiあり、Geminiアプリは「より広いアクセス」 |
| Business Plus | $22 | 同上 |
| Enterprise | 営業に問い合わせ | 同上 |
Business Starter、Standard、Plusは最大300ユーザーまでで、Enterpriseにはユーザー数の上限・下限がありません。料金ページには新規契約向けに最初の3か月を割り引く期間限定の表示もあるため、実際の請求額は契約時の画面で確かめてください。円での請求額も契約時の表示が基準です。
たとえば20人の会社がBusiness Standardを年間プランで使う場合、$14×20人=月$280がWorkspaceの費用です。広報説明のとおりエージェントが追加料金なしで加わるなら、エージェントを使う権利のための上乗せはありません。ただしConstellation Researchの報道どおり利用分が従量課金になれば、$280に「エージェントの利用量×未公表の単価」が加わり、coworkerエージェントに別ライセンスが必要ならその分も増えます。Workspaceでの従量の仕組みは後日示されるとされているため、現時点では$280を固定費、利用分を上限つきの変動費として予算を分けておくのが現実的です。
Gemini Enterpriseの料金:10月1日の$21〜が10日には消えた
Gemini Enterpriseの製品ページは、10月1日から10月10日のあいだに大きく変わりました。Internet Archiveに残る10月1日時点の製品ページは「Gemini Enterprise app: Best of Google AI for Business」という題で、エディション別の価格を載せていました。10月10日時点のGoogle CloudのGemini for Business製品ページは「Gemini for Business: The Universal Work Agent」に変わり、価格表がなくなって「Contact sales(営業に問い合わせ)」だけが表示されています。

| エディション | 10月1日時点の製品ページ | 10月10日時点の製品ページ |
|---|---|---|
| Business | 1席あたり月額$21から、最大300席、30日トライアル | 価格表示なし |
| Standard/Plus | 1席あたり月額$30から、席数無制限、30日トライアル | 価格表示なし。Plusの30日無料トライアルを案内 |
| 従量課金(Pay-as-you-go) | 席料$0、20席以上の組織向け。トークン、メモリ、コンピューティング、ストレージを従量で請求。一部顧客から段階的に提供 | 価格表示なし |
価格表が消えた正確な日付はわかりません。$21と$30が現在も定価なのかについても、Googleは説明していません。見積もりに使うなら「10月1日時点でGoogleのページに最後に載っていた開始価格」として扱い、正式な金額は営業から取ってください。
エディションの条件にも、Googleの資料どうしで食い違いがあります。Gemini Enterpriseのエディション比較ドキュメントはBusinessを「1〜500ユーザー」、従量課金を「最低1席から」としています。一方、10月1日時点の製品ページはBusinessを最大300席、従量課金を20席以上の組織向けとしており、現在のGemini Enterpriseのよくある質問ページもBusinessを「300人までのチーム」向けと説明しています。現場向けのFrontlineは、StandardまたはPlusを150ユーザー以上使う組織向けの追加エディションです。Business上限の300と500のどちらが適用されるかは、契約時に確かめる必要があります。
席に含まれる利用枠:Standard 160回、Plus 200回/日
「追加料金なし」がどこまでを指すかを考えるうえで参考になるのが、Gemini Enterpriseの席にいま含まれている利用枠です。Gemini Enterpriseの「Quotas and overages」ドキュメントによると、StandardとPlusでは1ライセンスあたり次の枠が付き、同じエディションのユーザー全員でプロジェクト・ロケーションごとに共有されます。
| 機能 | Standard(1ライセンスあたり) | Plus(1ライセンスあたり) |
|---|---|---|
| アシスタントへの質問 | 1日160回 | 1日200回 |
| 画像生成 | 1日5枚 | 1日10枚 |
| 動画生成 | 1日2回 | 1日3回 |
| Deep Research | 1日3回 | 1日10回 |
| ノーコードでのエージェント作成 | 1日1体 | 1日10体 |
| ストレージとデータのインデックス | 30GiB | 75GiB |
| AI開発者ツールのクレジット | 1ユーザーあたり月$10 | 1ユーザーあたり月$15 |
枠は共有なので、たとえばStandardを100ライセンス契約していれば、組織全体で1日1万6,000回(160回×100)の質問枠になります。AI開発者ツールのクレジットは月額表記ですが、実際には7日単位の共有枠として管理されます。枠を使い切ると機能が制限され、管理者が超過利用(Overages)をオンにすれば従量課金の料金で使い続けられます。超過利用には請求書払いのCloud Billingアカウントと、無料トライアルではない有効なサブスクリプションが必要で、30日の無料トライアルは対象外です。従量課金エディションには機能ごとの枠がなく、ストレージが1GiBあたり月$5、それ以外はAgent Platformの料金で請求されます。
このドキュメントはエージェント発表前のもので、Geminiエージェントのタスクがこれらの枠のどれから引かれるのか、枠の外で計量されるのかは書かれていません。Businessエディションの枠は別のヘルプセンターで扱われています。
Claudeを選ぶと別料金?Gemini Enterpriseでは席の枠外で従量課金
プレビュー版のGeminiエージェントでは、Claudeをモデルとして選べる画面がすでに示されています。GoogleのシニアAIプロダクトマネージャー、Shubham Saboo氏が10月8日に投稿したXのGeminiエージェント紹介ポストの画像には、モデルの選択肢として「Auto(スマートなモデル選択)」「Gemini 4 Argon」「Gemini 3.8 Flash」「Claude Opus 5.5」「Claude Sonnet 5.5」が並び、入力欄には「Ask for approval(承認を求める)」の設定があります。ただし製品ページはサードパーティモデルの選択を「アーリーアクセス」としており、プレビューの画面がそのまま全顧客に提供されるとは限りません。
Claudeを使った分の料金は、Geminiモデルとは扱いが分かれます。Gemini EnterpriseのAI開発者ツール設定ドキュメントでは、Claude Opus 5.5やClaude Sonnet 5.5などのサードパーティモデルは初期状態でオフになっており、管理者が有効にしてモデル提供元の規約に同意する必要があります。そのうえで、Geminiモデルはエディションの共有の席クレジットから引かれ、管理者が有効にしたサードパーティモデルはCloud Billingアカウントで従量課金になると書かれています。GoogleのDevRel担当Rich Hyndman氏も10月9日にXでClaudeの課金について回答し、AnthropicのモデルはStandard・Plusの共有枠を消費せず従量課金で、超過利用をオンにする必要があると説明しました。Google CloudのチーフエバンジェリストRichard Seroter氏も、Claudeの利用は「消費量に応じた課金」と投稿しています。Hyndman氏はこの件を説明するGoogleのブログ記事を10月14日に公開する予定だとしています。
これらはAntigravityなどのAI開発者ツールについての説明です。Geminiエージェントが作業をClaudeに振り分けた場合も同じく席の枠外で従量課金になると考えるのが自然ですが、Googleはエージェントについてそう明言しておらず、ここは推測です。
Googleが参照先として示しているGemini Enterprise Agent PlatformのClaude料金表では、グローバル・入力20万トークン以下の場合、100万トークンあたりの料金は次のとおりです。
| モデル | 入力(100万トークンあたり) | 出力(100万トークンあたり) |
|---|---|---|
| Claude Sonnet 5.5 | $2.00 | $10.00 |
| Claude Opus 5.5 | $4.00 | $20.00 |
仮に1つのタスクで入力20万トークン、出力2万トークンを使うとすると、Opus 5.5では0.2×$4+0.02×$20=$1.20、Sonnet 5.5では0.2×$2+0.02×$10=$0.60になります。トークン数はあくまで仮の値で、エージェントのタスクが実際にどれだけのトークンを使うかは公表されていません。Claudeを有効にする前に、Cloud Billingのプロジェクト上限を設定しておくと安心です。
今すぐ試す方法:営業へのプレビュー相談と30日無料トライアル
プライベートプレビューは「一部の顧客」向けで、選定の基準は公開されていません。2026年10月10日時点では、プレビューを実際に使った管理者や顧客によるX上の報告は出ておらず、Google CloudのXアカウントも早期アクセスのテスターへの謝辞を投稿しているだけです。報告がないことは、誰も使っていないことを意味しません。一般提供は10月末か11月初めの見込みと報じられているため、急がない組織は数週間待つのも選択肢です。早く使いたい組織が取れる手段は次の3つです。
- プレビュー参加を相談する:Gemini for Business製品ページの「Contact sales」からGoogle Cloudの営業に連絡します。プレビューの対象になるかどうかは営業とのやり取りで決まります。
- 土台のGemini Enterpriseを試す:製品ページのよくある質問によると、Gemini Enterprise Plusは営業を通さずに30日間無料で試せます。入口はGoogle CloudコンソールのGemini Enterprise無料トライアルです。ただし同じページで、複数ステップのバックグラウンドタスクの委任、モバイル・デスクトップ版、サードパーティモデルの選択は「アーリーアクセス」と書かれており、トライアルでエージェントの機能がすべて使える保証はありません。
- Workspaceへの展開を待つ:広報は展開をソフトウェアのバージョンアップにたとえており、広い提供後は別のセットアップが要らない想定です。Workspaceの管理者はGoogle Workspace Updatesブログ(英語)で、対象エディションと展開日が告知されるのを待つのが確実です。
営業に相談するときは、未公表の部分を具体的に質問しておくと見積もりのぶれが減ります。
- 自社のWorkspaceエディション、またはGemini Enterpriseのエディションが広い提供の対象に入るか
- coworkerエージェントに専用のWorkspaceライセンスが必要か、必要なら1体あたりいくらか
- エージェント利用分の従量課金は何を単位に計量され、単価はいくらか。長時間の自律タスクやサブエージェントは席の利用枠から引かれるのか、枠の外で課金されるのか
- 1組織で作れるcoworkerエージェントの数に上限があるか
- エージェントがClaudeに作業を振り分けた場合、Cloud Billingの従量課金になるのか
- サードパーティモデルを使う場合のデータ送信先、保持期間、保存場所
支出上限の設定:Cloud Billingでプロジェクトごとに上限と通知
Gemini Enterpriseをプロジェクト単位で使う場合、費用の上限は今すぐ設定できます。Google Cloudは2026年8月27日のブログ記事「Flexible billing and cost controls for agents on Google Cloud」で、次の仕組みを発表しています。
- Cloud Billingコンソールで、プロジェクトごとに月の支出上限(ハードリミット)を設定できる
- 上限に達すると、そのプロジェクトのエージェントのAPI呼び出しが一時停止し、ほかの本番環境には影響しない
- 予算の50%、80%、100%でメール通知が届く
- 停止後はコンソールのワンクリックで再開するか、超過分を従量課金で払う設定に切り替えられる
- Flexible Savings Plansを使うと、月額利用額に対して1年契約で10%、3年契約で20%の割引を受けられる。最低額・上限額はない
- Google Cloudの料金計算ツールで、ユーザーライセンス、開発者ツール、バックグラウンドで動くエージェントの実行費用を見積もれる
10月8日の基調講演でも、Geminiエージェントはこのプロジェクト単位の上限を守り、上限に達するとそのプロジェクトのエージェントが止まり、ワンクリックで再開できると説明されています。トークン使用量とサンドボックスの費用を監視し、集計がプロジェクト単位なので、部署ごとにプロジェクトを分ければAI費用を部署に配賦できます。Constellation Researchによると、Googleの幹部は今後数週間のうちに、管理者がモデルを選び、プロジェクト単位の上限に加えて個人単位の上限も設定できるようになると説明しています。
注意点として、これはCloud Billingのプロジェクトに対する仕組みです。Workspaceの契約だけでエージェントを使う場合に、利用量がどこで計上され、同じ上限がかかるのかは公表されていません。Gemini Enterpriseをプロジェクトで使う組織は、展開前に部署ごとのプロジェクト分けと上限設定を済ませておけば、長時間タスクが従量課金になった場合でも、超過分の従量課金をオンにしない限り、そのプロジェクトの利用は設定した上限で止まります。
Workspace管理者の確認事項:共有範囲、モデル制限、coworker
料金と並んで導入判断を左右するのが、エージェントが何にアクセスするかです。公開されている情報は次のとおりです。
- アクセス範囲:Google広報はVentureBeatに、エージェントはWorkspaceの権限で明示的に共有されたファイルにしかアクセスできないと説明しています。基調講演でも、coworkerエージェントは共有されたものだけを見て、チームの既存の共有設定とメンバー構成に従うとされています。
- coworkerエージェントのアカウント:coworkerエージェントには専用のWorkspaceアカウントが作られ、メールアドレス、カレンダー、ドライブ、社内ディレクトリ上の存在を持ちます。同僚はChatスペースに追加したり@メンションしたりして仕事を頼み、エージェントは自分の名前で動き、ドキュメントの版の履歴にも自分の名前で残ります。
- 使えるモデルの制限:管理者はエージェントが使えるAIモデルを制御できると、Googleは説明しています。Gemini EnterpriseのAI開発者ツールでは、Claudeなどのサードパーティモデルは初期状態でオフで、有効にすると利用分がCloud Billingの従量課金になります。
- 学習への利用:製品ページでは、プロンプトや出力を含む顧客データはGoogleのモデルやほかの顧客のモデルの学習に使わないとしています。
まだ説明されていない点もあります。coworkerアカウントの作成方法や、そのアカウントのメール・ドライブなどのサービスを管理者が個別に有効・無効にできるかは示されていません。エージェントがサードパーティモデルを使うときにデータが外部のモデル提供元へ送られるか、保持期間やデータの保存場所がどうなるかも、Googleは明らかにしていません。参考までに、AI開発者ツールについてのドキュメントでは、有効にしたサードパーティモデルにはリクエストに必要なプロンプトとコードの文脈が送られ、Geminiモデルと同じ処理と保護が適用され、プロンプトと応答は学習に使われないとしています。推論はglobal・us・euのロケーションに限られ、国内リージョンは選べません。データを国内に置く社内規程がある組織は、サードパーティモデルを管理画面で許可する前に、この点の回答を営業から得ておく必要があります。
Geminiエージェントの料金と利用条件についてのよくある質問
Geminiビジネス版の料金はいくらですか?
「Geminiビジネス版」が何を指すかで答えが変わります。WorkspaceのGemini機能込みのプランは、年間プランの1ユーザーあたり月額でBusiness Standardが$14、Business Plusが$22です(米ドル、2026年10月10日時点)。Business Starterは$7ですが、Workspaceアプリ内のGeminiは「制限あり」です。Gemini Enterpriseは10月1日時点でBusinessが1席あたり月額$21から、Standard/Plusが$30からと表示されていましたが、10月10日時点では価格表示がなく営業への問い合わせになっています。10月8日発表のGeminiエージェント自体には単体価格がなく、アドオン契約は不要で、利用分は従量課金になる見込みと報じられています。
Business Starterでも法人向けGeminiエージェントは使えますか?
Googleは対象プランを公表していません。StarterはWorkspaceアプリ内のGeminiが「制限あり」で、ドキュメントやスプレッドシートのGeminiを含まないため、対象外になる可能性が高いと考えられますが、これは推測です。Starterで使いたい場合は、展開時の告知を待つか、営業に対象かどうかを確認してください。
Geminiでエージェントを作成するにはどうすればいいですか?
使っている契約によって方法が違います。Workspaceなら全プランに含まれるWorkspace Studioで、AIエージェントを使った業務の自動化を組めます。Gemini Enterpriseでは、10月1日時点の製品ページにBusinessエディションからノーコードでカスタムエージェントを作れると書かれていました。10月8日発表のGeminiエージェントでは、必要な役割を説明するとGeminiがcoworkerエージェントを作る仕組みですが、これはプレビュー参加企業に限られます。個人ならGemini Sparkにタスクや定期実行を任せる形になります。
日本でも法人向けGeminiエージェントは使えますか?
Geminiエージェントの対応国・地域の一覧は公開されていません。Geminiアプリ自体は日本に対応しており、個人向けのGemini Sparkも日本は対象地域に含まれます。法人向けエージェントの日本での提供時期や、データを日本国内に保存できるかは、営業に確認する必要があります。
法人向けGeminiエージェントでClaudeは使えますか?
Googleの資料で説明が分かれています。基調講演は、GeminiモデルとAnthropicのClaudeモデルを現時点で使い分け、将来はほかのモデルにも広げると説明しており、Googleのプロダクトマネージャーが投稿したプレビュー画面にもClaude Opus 5.5とClaude Sonnet 5.5が選択肢として並んでいます。一方、製品ページのよくある質問は「現在はGoogle Geminiモデルで、ほかのモデルは近日対応」とし、サードパーティモデルの選択はアーリーアクセスと書いています。すべての顧客がすぐにClaudeを選べるとは限りません。Gemini Enterpriseでは、管理者が有効にしたClaudeの利用分は席の枠から引かれず、Cloud Billingで従量課金になります(AI開発者ツールについての説明で、エージェントにも同じ課金が適用されるかは推測です)。
APIからGeminiエージェントを使えますか?
基調講演はGeminiエージェントを「1つのAPI」で使えると説明していますが、APIの提供条件や価格は公表されていません。Vertex AIの後継にあたるGemini Enterprise Agent Platformは従量課金です。いまGeminiモデルを使ったアプリを作るなら、Gemini API と Vertex AI API の選び方:速く始めるか、クラウド運用で固めるかでDeveloper APIとVertex AI側のどちらから始めるかを決められます。
参考資料18
本文で参照している外部ページを、登場順に並べています。最終更新日:2026年10月10日。
参考資料18
本文で参照している外部ページを、登場順に並べています。最終更新日:2026年10月10日。
- 1.VentureBeatの10月8日の記事venturebeat.com/orchestration/google-cloud-unveils-persistent-gemini-agents-for-long-running-tasks-and-they-get-their-own-gmail-calendar-and-drive-storage
- 2.Constellation Researchの10月8日の記事constellationr.com/insights/news/google-cloud-launches-gemini-agent-work-across-enterprise-systems
- 3.9to5Googleの10月8日の記事9to5google.com/2026/10/08/gemini-agent-google-cloud
- 4.Google Cloud公式ブログの基調講演記事「Welcome to Gemini at Work 2026」cloud.google.com/blog/products/ai-machine-learning/welcome-to-gemini-at-work-2026
- 5.Googleヘルプの「Choose your edition」support.google.com/g/answer/16547364
- 6.Gemini Sparkの利用条件を説明したGeminiアプリヘルプsupport.google.com/gemini/answer/17094507
- 7.Google Workspaceの料金ページworkspace.google.com/intl/ja/pricing
- 8.Internet Archiveに残る10月1日時点の製品ページweb.archive.org/web/20261001214010/https://cloud.google.com/gemini-enterprise
- 9.Google CloudのGemini for Business製品ページcloud.google.com/gemini-enterprise
- 10.Gemini Enterpriseのエディション比較ドキュメントdocs.cloud.google.com/gemini/enterprise/docs/editions
- 11.Gemini Enterpriseの「Quotas and overages」ドキュメントdocs.cloud.google.com/gemini/enterprise/docs/quotas-and-overages
- 12.XのGeminiエージェント紹介ポストx.com/Saboo_Shubham_/status/2108265508223193319
- 13.Gemini EnterpriseのAI開発者ツール設定ドキュメントdocs.cloud.google.com/gemini/enterprise/docs/ai-developer-tools-settings
- 14.XでClaudeの課金について回答x.com/geekyouup/status/2108640682172932453
- 15.Gemini Enterprise Agent PlatformのClaude料金表cloud.google.com/gemini-enterprise-agent-platform/generative-ai/pricing
- 16.Google CloudコンソールのGemini Enterprise無料トライアルconsole.cloud.google.com/freetrial
- 17.Google Workspace Updatesブログ(英語)workspaceupdates.googleblog.com
- 18.2026年8月27日のブログ記事「Flexible billing and cost controls for agents on Google Cloud」cloud.google.com/blog/products/ai-machine-learning/flexible-billing-and-cost-controls-for-agents-on-google-cloud





