Nano Banana Pro(Gemini 3 Pro Image)は最大4Kに対応します。しかし、公式Gemini Developer APIのgemini-3-pro-imageに無料枠はありません。 さらに、2026年3月以降の新規Google Cloud Welcome credit/無料トライアルクレジットは、Gemini APIやGoogle AI Studioの支払いに使えません。
検索画面で見かける「無料クレジット」は一種類ではありません。Geminiアプリの利用枠、Google APIの課金残高、Cloudの販促クレジット、外部サービスの独自残高は、発行元も使用条件も別です。「4K」と入力しただけでも4Kの証明にはなりません。使う経路を決め、解像度を指定し、ダウンロード後の幅×高さまで確認して初めて4Kを検品できます。
| 表示される「無料」 | 実際の契約 | Nano Banana Proとの関係 | 最初に確認すること |
|---|---|---|---|
| Geminiアプリの画像生成 | Google AIプラン/アプリ利用枠 | まずNano Banana 2または2 Liteで生成し、対象の有料ユーザーがProで作り直す | アカウント、プラン、現在の利用上限 |
| Gemini Developer API | API従量課金 | 安定版IDはgemini-3-pro-image。公式Free Tierなし | billing、モデルID、image_size |
| Google Cloud Welcome credit | Googleの販促クレジット | 2026年3月以降の新規creditはGemini API/AI Studioに利用不可 | creditの付与日と対象サービス |
| 外部サイトのsignup credit | そのサイト独自の残高 | 同じモデル名でも価格、解像度、失敗時課金が別 | backend、1回の消費、返金、保存条件 |
まず「Nano Banana Pro」と利用画面を分ける
Nano Banana Proは独立した公式アプリ名ではなく、Googleの高品質画像モデルGemini 3 Pro Imageの通称です。開発者向けの現在の安定版モデルIDは、公式モデルページにあるgemini-3-pro-imageです。古い記事に残るgemini-3-pro-image-previewを新規実装で選ばないでください。
一方、一般ユーザーが使うGeminiアプリの現行手順はAPIと異なります。最初の画像はNano Banana 2またはNano Banana 2 Liteで作成し、対象のGoogle AI有料プランで画像の「その他」からProで作り直す流れです。これはサブスクリプション機能であり、再利用できるAPIキーやAPIクレジットではありません。利用上限と提供状況は変わるため、固定の「1日○枚」として覚えず、実際のアカウント画面で確認します。
モデルの入口を整理したい場合は、先にNano Banana Proの現行の使い方を確認してください。本記事では、その次の判断である「無料の発行元」「4Kの実体」「採用できる1枚のコスト」に集中します。
公式Pro APIは無料ではない
Googleの現行API料金表では、gemini-3-pro-imageのFree TierはNot availableです。2026年7月21日時点の画像出力価格は次のとおりです。
| API consumption mode | 1K/2K出力 | 4K出力 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| Standard | $0.134/枚 | $0.24/枚 | 画像出力分のリスト価格 |
| Batch | $0.067/枚 | $0.12/枚 | 非同期処理に向く |
| Flex | $0.067/枚 | $0.12/枚 | 提供条件を実装前に確認 |
この金額は「ジョブ全体の上限」ではありません。画像入力、テキスト/thinking出力、Search grounding、税、為替、再試行、採用できなかった画像によって総額は変わります。日本円へ固定換算すると為替と税の条件が隠れるため、請求画面ではUSDの原価と実際の決済額を分けて記録する方が安全です。
新規Cloud Welcome creditはPro APIに使えない
「Google Cloudで無料クレジットをもらえば4K APIも無料になる」という説明は、現在の新規アカウントには当てはまりません。Gemini APIの公式billing FAQは、2026年3月の方針変更後に付与されたWelcome creditとfree-trial creditをGemini API/AI Studioの対象外としています。
変更前に付与された一部のeligible creditは、元の90日間の期限まで使える場合があります。しかし、これは過去の残高に対する例外です。新規ユーザー向けの一般的な無料ルートとして案内してはいけません。Paid tierの設定では最低$10のprepayが必要になる場合があり、購入したprepay creditは販促ではなく、12か月で失効します。支払い直前に公式billing画面を再確認してください。
4Kは固定の3840×2160ではない
Nano Banana Proの「4K」は解像度tierです。横長、正方形などアスペクト比が変われば、実際のピクセル数も変わります。Googleの画像生成ガイドで確認できる代表例は次のとおりです。
| アスペクト比 | 1K | 2K | 4K |
|---|---|---|---|
| 1:1 | 1024×1024 | 2048×2048 | 4096×4096 |
| 16:9 | 1376×768 | 2752×1536 | 5504×3072 |
つまり、16:9の4K出力を「3840×2160でないから失敗」と判定するのも、promptに4Kと書いただけで「4K成功」と判定するのも誤りです。APIでは対応するsize fieldで4Kを指定し、レスポンスをデコードしてから実ファイルの幅と高さを確認します。
アスペクト比別のピクセル検品
生成ごとに次の6項目を残すと、広告文ではなくファイルで判断できます。
- routeとmodel ID:例
gemini-3-pro-image。 - requested
image_size:1K、2K、4Kを大文字で記録。 - aspect ratio:例
1:1、16:9。 - decoded width × height:期待する公式寸法と一致するか。
- image returned:画像が返ったか、空レスポンス/拒否/errorか。
- billing status:残高差、請求額、error code、retry回数。
印刷や広告枠では、ピクセルが合っても終わりではありません。最終crop後の長辺・短辺、必要な余白、文字の安全領域まで確認します。16:9の5504×3072を受け取っても、縦長パッケージへ大きくcropすれば有効解像度は下がります。
先に2Kで止める判断基準
4Kは常に正解ではありません。次の条件を満たした時点で2Kを採用して止めるのが実務的です。
- 配信先がWeb、SNS、社内資料で、最終表示サイズに2Kで十分な余裕がある。
- 実際のcrop後に必要ピクセルを満たす。
- 日本語の小さい文字、細線、商品ラベルが100%表示で読める。
- 4Kへ上げても採否を変える新しい情報がなく、ファイルサイズと料金だけが増える。
4Kへ進むのは、大判印刷、強いcrop、細かな図表、複数媒体への再利用など、2Kの実ファイルが下流要件を満たさないと確認できたときです。「将来使うかもしれない」だけで全試行を4Kにすると、構図探索や日本語の修正にも4K料金を払い続けることになります。
日本語は解像度と別に検品する
4Kであっても、漢字や数字が正しいとは限りません。日本語入りポスターなら、見た目の印象より先にsource textと一字ずつ照合します。
- 固有名詞:会社名、商品名、会場名が別表記になっていないか。
- 漢字・かな:似た字への置換、送り仮名、長音、濁点を確認。
- 数字と単位:日付、時刻、価格、税込/税別、mm、%の対応を確認。
- 関係:見出し、価格、商品、注釈が正しい組み合わせになっているか。
- 余計な追加:存在しない電話番号、ロゴ、認証、割引を作っていないか。
- 編集の副作用:文字を直した際に人物、色、商品形状まで変わっていないか。
同じ誤字を2回続けて再生成したら、長いpromptを足し続けるのを停止します。まず文字量を減らし、source textを整理し、それでも安定しなければ最終文字組みをFigmaやPowerPointなど決定的な編集工程へ移します。SynthIDが含まれることはAI由来の識別に関する情報であり、文字や事実の正しさを保証しません。
1枚の価格ではなくaccepted output costを見る
料金比較で必要なのは「1 callの価格」だけではなく、採用できた成果物1枚あたりの実コストです。
textaccepted output cost =(全callの請求額 + 再試行費 + 手動修正コスト)÷ 採用枚数
たとえば公式Standard APIで4Kを10回生成し、6枚だけが日本語・構図・サイズの検品を通ったとします。画像出力のリスト価格だけなら合計$2.40、accepted output costは$0.40/採用枚です。4枚の不採用画像を計算から消してはいけません。inputやgrounding、手動修正があればさらに加えます。
この指標はNano Banana ProとNano Banana 2を選ぶときにも役立ちます。構図案を20枚出す段階では速く安いモデルを使い、最終候補だけPro/4Kで仕上げる方が、最初から全案をProで作るより低コストになりやすいからです。具体的な比較軸はNano Banana ProとNano Banana 2の違いで確認できます。
外部サービスのcreditは別契約として評価する
Googleのdirect APIが利用条件や支払い方法に合わない場合、外部API gatewayを比較する意味はあります。ただし、外部サイトのcreditを「Google公式の無料枠」と呼ばず、provider名、model ID、解像度、失敗時課金、保存条件を一つずつ確認します。
laozhang.aiを比較する場合
2026年7月21日に確認したlaozhang.aiの公開ドキュメントは、provider route gemini-3-pro-imageを**$0.09/call**と表示しています。これはGoogle公式価格ではなく、laozhang.ai独自のprovider価格です。
- Google-native passthrough route:1K/2K/4Kを明示して要求する用途。
- OpenAI-compatible chat route:導入は簡単ですが、公開ドキュメント上は固定1K正方形の経路。
- 適する読者:複数モデルを同じgatewayで切り替え、pay-as-you-goで検証したい開発者。
- 停止条件:consoleの最終価格、model ID、returned image、width×height、failure billingを確認できない場合。
公開ページは無料signup creditを案内していません。また、ドキュメント上は成功扱いのcallが画像を返さない場合でも課金され得ます。$0.09を「必ず4K画像1枚を受け取れる価格」や「無料体験」と言い換えないでください。
同じpromptを複数routeで比較したい場合は、YingTuでNano Banana Pro、Nano Banana 2、Nano Banana 2 Liteなどの設定を並べられます。workspaceは無料で開けますが、生成には現在有効なAPI keyが必要です。画面上の$0.09表示や1K/2K/4K controlsもprovider-specificです。無料でページを開けることと、無料生成できることを分けてください。
外部routeで4Kを10回、$0.09/callで試し、6枚を採用した例なら、call分だけのaccepted output costは$0.90÷6=$0.15/採用枚です。ただし、画像が返らない成功call、再試行、手動修正、API keyの残高条件を含めれば上がります。公式directとproviderを比べるときは、同じprompt、aspect ratio、size、採用基準で記録します。
より広い費用比較が必要ならNano Banana Proの現行料金、4Kに絞ったroute選択は4Kコストを抑える方法へ進めます。
生成前の最終チェックリスト
- 「無料」と表示している主体はGemini App、Google Cloud、API providerのどれか。
- 現在のmodel IDは
gemini-3-pro-imageか、backend unknownか。 - 4Kはpromptではなくresolution selector/API fieldで指定したか。
- aspect ratioごとの期待width×heightを生成前に決めたか。
- ダウンロード後の実ファイルを測ったか。
- 日本語、数字、固有名詞、項目の関係をsource dataと照合したか。
- 不採用画像と失敗callもaccepted output costに含めたか。
- privacy、commercial terms、保存期間、failure billingを確認したか。
- 2Kで下流要件を満たしたら、4Kへ上げずに停止できるか。
Nano Banana Proは高解像度の最終制作に使えるモデルですが、4Kと無料クレジットは同じ約束ではありません。契約を分け、実ファイルを測り、日本語を検品し、採用1枚あたりで計算する。この順番なら、魅力的な「無料4K」という表示を、再現可能な制作判断へ変えられます。



