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OpenRouterの代替と無料モデル:上限・手数料で選ぶ

無料モデルは20 RPM・1日50回、累計10ドルの購入で1日1,000回に上がります。上限・手数料・学習利用のどれが不満かで、選ぶ代替の種類が変わります。

LaoZhang AI Team公開33 分で読めます
目次
OpenRouterの無料モデルは20 RPM・1日50回。上限なら10ドルのチャージ、手数料ならVercel・Cloudflare、データならGroqの無料プラン、自前運用ならLiteLLMという4つの選び方を示した図

OpenRouterの無料モデルを縛っているのは、モデルの性能ではなく2つの数字です。IDの末尾が:freeのモデルは誰でも毎分20リクエストまで、そしてクレジットの累計購入額が10ドル未満のアカウントは1日50リクエストまでで止まります。一度でも累計10ドル以上を購入すると1日1,000リクエストに上がり、この上限はアカウント単位ではなく全体で管理されるため、アカウントやAPIキーを増やしても増えません(2026年9月27日時点の公式ドキュメント)。

つまり「1日50回で止まる」だけが不満なら、答えは乗り換えではなく一度の前払いです。10ドルのチャージには5.5%・最低0.80ドルの手数料がかかるので実際の支払いは約10.80ドルで、それだけで日次上限は20倍になります。乗り換えを考える価値があるのは、きっかけが別のところにある場合です。チャージのたびに5.5%を払いたくない、無料モデルの提供元がプロンプトを学習に使うのを避けたい、Vercel・Cloudflareに自分の環境が寄っている、あるいはゲートウェイを自分で持ちたい。この4つのきっかけには、それぞれ違う種類の「代替」が対応します。以下では、まずOpenRouter側のルールを確認し、次に代替を4種類に分けて手数料と上限を同じ基準で並べ、最後にbase URLとモデルIDを変えて最初のリクエストを通すところまで進めます。

OpenRouterの無料を実際に縛っているルール

OpenRouterで「無料」と呼ばれるものは2つあります。1つは特定モデルの無料版で、meta-llama/llama-3.2-3b-instruct:freeのようにモデルIDの末尾に:freeが付きます。もう1つはopenrouter/freeというルーターで、その時点で利用できる無料モデルの中から、リクエストに必要な機能(画像理解、ツール呼び出し、構造化出力)を満たすものをランダムに選んで転送します。どのモデルが答えたかは応答のmodelフィールドに入りますが、どれが選ばれるかは指定できません。特定のモデルで結果を安定させたいときは:free付きのIDを直接指定します。

どちらを使っても、次の上限が共通でかかります。

条件1分あたり1日あたり備考
クレジットの累計購入額が10ドル未満20リクエスト50リクエスト新規アカウントはここから始まる
累計10ドル以上を購入20リクエスト1,000リクエスト一度の購入で恒久的に適用。サブスクリプションではない

日次カウンターはUTCの日付で区切られ、日本時間では朝9時にリセットされます。上限のティアはis_free_tierとは独立に累計購入額で決まり、手数料や端数を吸収するため、ドキュメント上は表の閾値より1クレジット低い9ドルから高いほうの上限が付与されると書かれています。また、残高がマイナスになると無料モデルでも402エラーが返ることがあり、その場合は残高をプラスに戻すまで無料モデルも使えません。

自分のカウンターは、キーの情報を返すエンドポイントで確認できます。

bash
curl https://openrouter.ai/api/v1/key \
  -H "Authorization: Bearer $OPENROUTER_API_KEY"

応答のdata.free_model_daily_requestsにused・limit・remainingが入り、当日の無料リクエストの消費と天井がわかります。1分あたりの残りはここには出ません。limitが50なら10ドル未満のティア、1,000なら10ドル以上のティアです。無料モデルの顔ぶれは毎週のように入れ替わるため、一覧を覚えるより、必要なときに無料モデルのコレクションを開くか、GET /api/v1/modelsで:freeを含むIDを引くほうが確実です。2026年9月27日時点では、Poolside Laguna S 2.1やQwen3.8 27Bの無料版などが並んでいます。

なぜ無料で提供されるのかという疑問には、提供元の事情が答えになります。無料エンドポイントは各プロバイダーが試用や宣伝の目的で容量を出しているもので、一部はその代わりに入力と出力を学習に使います。無料モデルのコレクションには「Laguna S 2.1を無料で使う場合、入力と出力をモデルの学習と改善に使うことがある」という提供元の注記がそのまま表示されています。この点は次の節で扱います。

手数料はいつ発生するか:10ドルの前払いをどう見るか

OpenRouterはトークン単価に上乗せをしません。各モデルの価格は提供元の価格をそのまま通し、代わりにクレジットを購入する時点で手数料を取ります。公式FAQでは、カード決済(Stripe)で5.5%・最低0.80ドル、暗号資産(Coinbase)で5%です。手数料はチャージ額に対して一度だけかかるので、支払総額は次のように計算できます。

チャージ額手数料の計算実際の支払い手数料率
10ドルmax(10 × 5.5%, 0.80) = 0.80ドル約10.80ドル8.0%
20ドルmax(20 × 5.5%, 0.80) = 1.10ドル約21.10ドル5.5%
100ドル100 × 5.5% = 5.50ドル約105.50ドル5.5%

最低額の0.80ドルは、14.55ドル未満のチャージでは実質の手数料率を5.5%より高くします。10ドルだけ入れて1日1,000回のティアを取る場合、追加コストは0.80ドルです。無料モデルしか使わないなら、この10ドルはトークンに消費されず残高として残りますが、FAQにはクレジットが購入から1年で失効する可能性があること、未使用クレジットの返金は購入後24時間以内に限られ手数料は返金されないことが書かれています。この前提を受け入れられるなら、日次上限を理由に乗り換える必要はありません。

自分のプロバイダーキーを持ち込むBYOK(Bring Your Own Key)にも手数料の規定があります。従量課金アカウントでは、提供元の定価換算で月25,000ドルまではBYOK手数料なし、それを超えた分に同じモデルをOpenRouterで使った場合の5%がかかります。個人や小規模チームがこの枠を超えることはまずないので、BYOKは実質無料と考えて差し支えありません。

有料モデルの単価そのものが気になる場合は、AI API 料金比較:主要5社の単価と最安モデルの選び方で提供元ごとの定価を比べられます。

無料モデルのデータはどこへ行くか

OpenRouter経由のリクエストには、2つの別々のデータ方針が関わります。1つはOpenRouter自身のログ方針で、プロンプトの保存は設定で切り替えます。もう1つは実際に推論する提供元の方針で、これは各エンドポイントごとに構造化データとして表示され、プロバイダーのログと学習に関するドキュメントに方針の読み方があります。

判断に効くのは3点です。第一に、アカウント設定で「学習に使う可能性のある提供元へのルーティングを許可するか」を選べ、この設定は有料モデルと無料モデルで別々にあります。無料側の許可を切っておけば、学習する提供元には流れません。第二に、OpenRouterが提供元の方針を確認できない場合は、保守的に「保持し、学習する」と見なして扱います。方針不明のエンドポイントは、学習許可を切っていると自動的に対象外になります。第三に、無料モデルは学習を条件に提供されているものが多いため、無料側の学習許可を切ると、条件を満たすエンドポイントがなくなり「No endpoints found matching your data policy」で失敗することがあると、利用者向けの複数のガイドで報告されています。

この構造から導ける結論は単純です。データを学習に使われたくないなら、OpenRouterの無料モデルは選択肢がかなり狭まります。無料エンドポイントの学習を切った状態でエラーになるモデルは、諦めて有料版か、学習しないと規約で定めている提供元の無料枠へ移ります。組織で確認手順が必要な場合は、LLM APIのデータ保持とZDR:稟議で使える確認手順に稟議用のチェック手順があります。

「代替」は4種類あり、同じものではない

OpenRouterの代替として名前が挙がるサービスは、料金の取り方と「誰のキーで推論するか」で4つに分かれます。この分類を先に持っておくと、候補に挙がる名前がどこに入り、何が無料になるのかをすぐ判断できます。

種類例料金の取り方推論に使うキー無料で得られるもの
手数料つきマネージドルーターOpenRouter、Requestyチャージ時の手数料、またはトークン単価への上乗せサービス側のキー(BYOKも可)無料モデル枠
マークアップなしゲートウェイVercel AI Gateway、Cloudflare AI Gatewayトークンに上乗せなし。決済代行を使う場合のみ手数料サービス側のキー、または自分のキー月次クレジット、またはゲートウェイ機能そのもの
セルフホストLiteLLM、Portkey(OSS版)ゲートウェイ費用0、インフラは自前自分のキーゲートウェイ機能。トークンは無料にならない
提供元の無料枠を直接使うGemini API、Groq提供元の無料枠の範囲で0提供元のキーその提供元のモデルだけ

Requestyは無料ティアで無料モデルに1日200リクエスト、カード登録不要、有料はトークン単価に5%の上乗せ(OpenAIで100万トークン10ドルのモデルが10.50ドル)で最低利用額なし、EUでのデータ所在を含みます(料金ページ)。OpenRouterとの違いは手数料の発生点で、OpenRouterはチャージ時、Requestyは使ったトークンごとです。

Vercel AI Gatewayは「トークンにマークアップもプラットフォーム手数料も課さない」と明記し、料金ページの表では無料ティアに月5ドル分のクレジットが含まれています。ただしこのクレジットで使えるのはFree Tier対象の一部モデルだけで、モデルごとのレート制限も有料ティアより低く設定されます。チームに有効な決済手段がないと403 customer_verification_requiredが返ることがあり、クレジットを購入すると有料ティアに移って月次の無料クレジットは適用されなくなります。有料ティアではゲートウェイ側のレート制限がなくなり(提供元側の制限は残る)、BYOKも有料ティア限定です(料金ページ、2026年9月8日更新)。

Cloudflare AI Gatewayは分析・キャッシュ・レート制限といった中核機能が無料で、自分のプロバイダーキーを保存して使います。Cloudflareに決済を任せるUnified Billingを選ぶとクレジット購入額の5%が手数料(100ドルの購入で105ドルの請求)になり、トークン単価への上乗せはありません(料金ページ)。無料のトークンが欲しい場合は、同じアカウントのWorkers AIに1日10,000 Neurons(UTC 0時リセット)の無料枠があり、Neuronsはトークンとは別の単位です。

LiteLLMはenterprise/ディレクトリを除きMITライセンスで、100以上の提供元をOpenAI互換の1つのエンドポイントにまとめ、仮想キーごとの支出追跡と予算設定ができます。ゲートウェイの費用は0ですが、動かすサーバーと各提供元のキーは自分で用意します。Portkeyもクラウド版の「Developer」プランは無期限無料で、記録できるログが月1万件まで(超えたリクエストも通るが記録されない)、ログ保持3日という制限つきで、いずれも自分のキーで推論する前提です。

提供元の無料枠を直接使う経路では、Gemini APIの無料枠は入力・出力トークンが無料で、日本は提供地域に含まれ、無料枠で送った内容はGoogleの製品改善に使われます(有料では使われない)。Groqの無料プランはopenai/gpt-oss-120bで毎分30リクエスト・1日1,000リクエスト・毎分8,000トークン・1日200,000トークンといった組織単位の上限が公開されていて、サービス規約ではサービス提供以外の目的で入出力を使わないと定めています。Together AIにも「Ternary Bonsai 27B」が入出力ともに0.00ドルで載っていますが、上限やカード要否は料金ページに書かれていないため、試すなら登録画面で確認する必要があります。

一方で、少し前の情報をもとにした設定は、もう存在しない無料経路を指していることがあります。GitHub Modelsは2026年7月30日に完全終了し、Cerebrasには恒久的な無料枠がなく、カード登録後の5ドルのトライアルだけです。DeepSeekは安価ですが公開の無料枠はなく、AnthropicとOpenAIにも継続的な無料枠はありません。直接利用の無料枠を条件で選びたい場合は、無料AI APIのおすすめ:上限・学習利用・カード要否で選ぶに提供元ごとの上限とカード要否の比較があります。

きっかけ別の判断ルール

同じ「OpenRouterの代替」でも、何が不満かで正解が変わります。

1日50回の上限が不満なら、代替を探す前に10ドルを一度チャージするのが最も安く、追加費用は手数料の0.80ドルだけです。前払いそのものを避けたい場合は、Groqの無料プラン(1日1,000リクエスト)かGemini APIの無料枠に直接切り替えます。ただしGeminiの無料枠は内容が製品改善に使われるので、次の条件と合わせて判断します。

チャージのたびに5.5%を払うのが不満なら、トークンに上乗せのないVercel AI Gatewayが最も直接的な代替です。決済手数料は自己負担ですが、ゲートウェイとしての取り分はありません。すでにCloudflareのアカウントがあるなら、自分のプロバイダーキーを保存してCloudflare AI Gatewayを通す経路は手数料が完全に0です。Requestyへの乗り換えは、手数料の発生点がチャージ時からトークンごとに変わるだけで、5%という率は減りません。

無料モデルの学習利用が不満なら、まずOpenRouterのアカウント設定で無料モデル側の学習許可を切り、エラーになるモデルは諦めます。それでも足りなければ、規約で入出力をサービス提供以外に使わないと定めているGroqの無料プランか、有料の経路に移ります。Geminiの無料枠はこの目的には合いません。

決済手段や安定性が不満なら、選択肢は有料ゲートウェイになります。OpenRouterは2026年5月にロシアに紐づくアカウントへの決済処理を停止したと報じられており、地域のコンプライアンスを理由に決済が止まる例は実際にあるため、有料の別経路を1つ持っておく意味はあります。1つの選択肢としてlaozhang.aiはOpenAI・Anthropic・Gemini互換のエンドポイント(https://api.laozhang.ai/v1)を残高の従量課金で提供する有料ゲートウェイで、登録と利用可否はallowlistの審査を経ます。無料枠はなく、既定ではプロンプトと応答の内容を保存・閲覧・分析しないと公式ドキュメントに書かれています。無料の経路を求めている段階では候補になりません。

ゲートウェイを自分で持ちたいなら、LiteLLMをローカルかVPSに立てます。費用はサーバー代と保守の時間で、トークンは各提供元に直接払います。仮想キーで予算を切りたい、複数人で1つのエンドポイントを共有したい、という要件があるときに割に合います。

手数料と上限を同じ基準で並べる

「手数料5%」という数字が同じでも、発生点が違えば支払う場面が変わります。2026年9月27日時点の公式ページの記載を、発生点を明示して並べます。

OpenRouter・Requesty・Vercel AI Gateway・Cloudflare AI Gatewayの手数料が、クレジット購入時とトークン単価のどちらで発生するかを支払い例とともに比べた表

経路手数料の発生点手数料無料で使える上限カード登録
OpenRouterクレジット購入時5.5%(最低0.80ドル)、暗号資産5%:freeモデルで20 RPM・1日50回(累計10ドル以上で1日1,000回)無料モデルだけなら不要
Requestyトークン単価+5%無料モデルで1日200回不要
Vercel AI Gatewayなし(決済手数料は自己負担)0月次クレジット(料金ページの表では月5ドル)、Free Tier対象モデルのみ、モデル別の低い上限決済手段の登録を求められる場合あり
Cloudflare AI GatewayUnified Billing利用時のみクレジット購入額の5%ゲートウェイ機能は無料。Workers AIは1日10,000 Neurons自分のキーを使うなら不要
LiteLLMなし0(インフラは自前)ゲートウェイに上限なし。トークンは提供元に払う提供元による
Gemini API直接なし0無料枠のモデルで入力・出力が無料。数値はAI Studioで確認不要
Groq直接なし0openai/gpt-oss-120bで30 RPM・1,000 RPD—

「—」は公式ページに記載がない項目です。RPMは1分あたり、RPDは1日あたりのリクエスト数です。Geminiの無料枠のモデル別の数値は公開ドキュメントに載っておらず、AI Studioのプロジェクト画面でだけ確認できます。詳しくはGemini API無料枠の利用上限 2026:何がまだ無料で、実上限はどこで確認し、キー追加で増えない理由にまとめてあります。

base URLとモデルIDを変えて最初のリクエストを通す

どの経路もOpenAI互換のChat Completionsを実装しているので、OpenAI SDKのクライアントを作るときのbase_urlとAPIキー、そしてモデルIDの3点を変えれば切り替わります。落とし穴はモデルIDの形式で、Vercel・Requesty・Cloudflareは提供元/モデルの2段、GeminiとGroqの直接接続はモデル名だけ、LiteLLMは自分のconfig.yamlで付けた名前になります。

python
import os
from openai import OpenAI

# 切り替え先ごとのbase_urlと、そのゲートウェイでのモデルIDの形式
TARGETS = {
    "openrouter": {
        "base_url": "https://openrouter.ai/api/v1",
        "key_env": "OPENROUTER_API_KEY",
        "model": "openrouter/free",  # 特定モデルなら末尾に:freeを付けたID
    },
    "vercel": {
        "base_url": "https://ai-gateway.vercel.sh/v1",
        "key_env": "AI_GATEWAY_API_KEY",
        "model": os.environ.get("VERCEL_MODEL", ""),  # 提供元/モデル形式。Free Tier対象はカタログで確認
    },
    "requesty": {
        "base_url": "https://router.requesty.ai/v1",
        "key_env": "REQUESTY_API_KEY",
        "model": os.environ.get("REQUESTY_MODEL", ""),  # 提供元/モデル形式
    },
    "cloudflare": {
        "base_url": f"https://gateway.ai.cloudflare.com/v1/{os.environ.get('CF_ACCOUNT_ID')}/default/compat",
        "key_env": "CF_API_TOKEN",  # 保存したプロバイダーキーを使う場合はCloudflareのAPIトークン
        "model": "workers-ai/@cf/meta/llama-3.3-70b-instruct-fp8-fast",
    },
    "litellm": {
        "base_url": "http://0.0.0.0:4000",
        "key_env": "LITELLM_MASTER_KEY",
        "model": "my-free-model",  # config.yamlのmodel_name
    },
    "gemini": {
        "base_url": "https://generativelanguage.googleapis.com/v1beta/openai/",
        "key_env": "GEMINI_API_KEY",
        "model": "gemini-3.8-flash",
    },
    "groq": {
        "base_url": "https://api.groq.com/openai/v1",
        "key_env": "GROQ_API_KEY",
        "model": "openai/gpt-oss-120b",
    },
}

target = TARGETS[os.environ.get("LLM_TARGET", "openrouter")]
client = OpenAI(base_url=target["base_url"], api_key=os.environ[target["key_env"]])

response = client.chat.completions.create(
    model=target["model"],
    messages=[{"role": "user", "content": "自己紹介を1文で。"}],
)
print(response.model)  # openrouter/freeの場合、実際に応答したモデルが入る
print(response.choices[0].message.content)

LLM_TARGET=groq python switch.pyのように環境変数で切り替え先を選び、キーはすべて環境変数から読みます。OpenRouterのopenrouter/freeではresponse.modelに実際に選ばれたモデルが入るので、どのモデルが答えたかをログに残せます。base_urlと環境変数OPENAI_BASE_URLのどちらが優先されるか、パスをどこまで書くかはOpenAI の base_url 変更:優先順位とパスの書き方で確認できます。

Cloudflareの/compatエンドポイントは、単一モデルの呼び出しについてはapi.cloudflare.com/client/v4/accounts/{ACCOUNT_ID}/ai/v1/chat/completionsのREST APIに置き換えられつつあり、既存の連携では引き続き動きます。defaultという名前のゲートウェイは最初のリクエストで自動的に作られるので、事前の設定は不要です。

LiteLLMをローカルで立てる最小構成は次のとおりです。

yaml
# config.yaml
model_list:
  - model_name: my-free-model
    litellm_params:
      model: groq/openai/gpt-oss-120b
      api_key: os.environ/GROQ_API_KEY
  - model_name: gemini-flash
    litellm_params:
      model: gemini/gemini-3.8-flash
      api_key: os.environ/GEMINI_API_KEY
bash
uv tool install 'litellm[proxy]'
export LITELLM_MASTER_KEY="sk-your-master-key"
litellm --config config.yaml   # 既定で4000番ポートで待ち受ける

api_key: os.environ/変数名の書き方で、実際のキーを設定ファイルに書かずに環境変数から読ませます。クライアントはLITELLM_MASTER_KEYをAPIキーとして渡し、modelにはmodel_nameで付けた名前を指定します。Dockerで動かす場合はリポジトリのdocker-compose.ymlが用意されていて、同じ環境変数を渡します。

Claude Codeのようなツールから経路を切り替える場合は、SDKではなくツール側の環境変数で設定します。手順と初回に出やすいエラーはClaude CodeでOpenRouterとDeepSeekを使う:経路、設定、初回エラー対応にあります。

失敗の境界:429と402、データポリシーのエラー

切り替え直後に出るエラーは、原因の場所が違います。

429・402・データポリシーのエラー・Vercelの403を、症状・原因・対処の3列で切り分けた図

OpenRouterで429が返るとき、出所は2つあります。OpenRouter自身のプラットフォーム制限(無料モデルの1分・1日の上限、DDoS保護)に当たった場合は、エラー応答にX-RateLimit-Limit・X-RateLimit-Remaining・X-RateLimit-Resetのヘッダーが付き、どの上限に当たったかがわかります。上流の提供元側でレート制限や容量不足が起きた場合はerror.metadata.provider_codeに提供元のエラーコードが入り、同じモデルの他の提供元へ自動でフォールバックした後にそれでも失敗したときだけ届きます。成功した応答にはX-RateLimit-*ヘッダーは付かないので、残量を事前に知りたければ前述のGET /api/v1/keyを呼びます。無料モデルの日次上限に当たったなら、対処は10ドルの購入か、同じモデルの有料版への切り替え(有料版にはプラットフォーム側の回数上限がない)です。ストリーミング中に上限に当たると、HTTPステータスはすでに200で送られているため、finish_reason: "error"のSSEイベントとして届きます。

402は残高の問題で、429とは別物です。残高がマイナスなら無料モデルでも402になります。残高がプラスでも402が出ることがあり、これは実行中のリクエストの見積もりコストが「in-flight spending budget」を超えたケースです。error.metadata.limit_sourceがopenrouter_in_flight_budgetならRetry-Afterを待って再送すれば通り、openrouter_creditsなら1リクエストの見積もりが予算を超えているのでmax_tokensを下げるか残高を足します。この予算は無料モデルへのリクエストには適用されません。

「No endpoints found matching your data policy」は、上限でも残高でもなく、アカウントのデータ方針の設定が原因です。無料モデル側の学習許可を切っていて、そのモデルの無料エンドポイントがすべて学習を条件にしている場合に起きます。設定を戻すか、別のモデル、あるいは有料版に切り替えます。

Vercel AI Gatewayで403 customer_verification_requiredが返るのは、チームに有効な決済手段が登録されていないためで、無料クレジットを使う前に登録が必要です。Groqの429にはretry-afterヘッダーが付くので、その秒数を待って再送します。どの経路でも、429は「待てば通る」、402と403は「アカウント側の操作が必要」という区別で切り分けると早く解決します。

よくある質問

OpenRouterとLiteLLMはどちらを選ぶべきですか?

役割が違うので、並べて選ぶものではありません。OpenRouterはサービス側のキーで推論し、クレジットを買えば各社のキーを持たずに数百のモデルを呼べます。LiteLLMは自分のサーバーで動くプロキシで、各提供元のキーを自分で用意し、それらを1つのOpenAI互換エンドポイントにまとめます。各社にアカウントを作りたくないならOpenRouter、キーの管理・予算・ログを自分の手元に置きたいならLiteLLMです。LiteLLMのmodel_listにOpenRouterを提供元として登録し、両方を組み合わせることもできます。

OpenRouterは安いのですか?

トークン単価は提供元の価格と同じで、上乗せはありません。コストの差はクレジット購入時の5.5%(最低0.80ドル)だけなので、同じモデルを直接契約した場合と比べて、チャージ額の5.5%(小額なら最低0.80ドル)だけ高い、と考えるのが正確です。この5.5%を0にしたいならVercel AI Gatewayか、自分のキーを使うCloudflare AI Gateway、または各社との直接契約になります。

無料モデルはなぜ無料なのですか?

提供元が試用や宣伝のために容量を出しているからで、一部は入力と出力を学習に使うことを条件にしています。そのため無料エンドポイントには可用性の保証がなく、提供元の都合で予告なく消えたり、混雑時に遅くなったりします。本番の経路として使うなら、有料版へのフォールバックを必ず設定します。

無料モデルのおすすめはありますか?

顔ぶれが毎週変わるため、固定のおすすめは早く古くなります。特定のモデルにこだわらないならopenrouter/freeに任せ、応答のmodelフィールドで何が選ばれたかを確認しながら使うのが実用的です。特定の用途で安定させたいときは、無料モデルのコレクションで現在の一覧を見て、:free付きのIDを直接指定します。

さらに読む: API ガイド
虫眼鏡を持って考え込む開発者と「400 Bad Request」のカード、エラー本文・呼び出し方式・モデルと設定の3枠に分かれた切り分け図
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