Claude Fable 5.1の通常のAPI料金は、入力100万トークン当たり10ドル、出力100万トークン当たり50ドルです。同じ入力を再利用できればキャッシュ読み取りは0.25ドルになりますが、最初の書き込みには別の単価が適用されます。すぐに結果が必要なければ、Message Batchesでトークン料金を50%抑えられます。公式料金表
見積もりでは、通常入力、5分キャッシュの書き込み、1時間キャッシュの書き込み、キャッシュ読み取り、出力の5項目を分けます。この内訳を実際のusageで集計すれば、長い文書を何度も渡す処理や夜間の一括要約でも、どこに費用がかかるかを確認できます。
以下は2026年9月19日に確認した、Anthropicが直接提供するClaude APIの標準・グローバル推論料金です。金額は米ドル建てで、税や個別契約の条件は含みません。数値例は料金表に基づく試算であり、実際の請求結果ではありません。
まず、5種類の単価を分けて見る
Fable 5.1のモデルIDはclaude-fable-5-1です。通常呼び出しとMessage Batchesのトークン単価は次のようになります。
| 課金対象 | 通常呼び出し | Message Batches |
|---|---|---|
| キャッシュを使わない入力 | $10 | $5 |
| 5分キャッシュへの書き込み | $12.50 | $6.25 |
| 1時間キャッシュへの書き込み | $20 | $10 |
| キャッシュ読み取り | $0.25 | $0.125 |
| 出力 | $50 | $25 |
単位はすべて100万トークン当たりの米ドルです。Batch列は通常料金に50%の割引を適用した後の単価なので、さらに半額にはしません。キャッシュとBatchの割引は併用できます。モデル概要、Batchの料金
キャッシュ読み取りの0.25ドルは、通常入力の10ドルに対して2.5%です。一方、Fable 5の読み取り単価1ドルと比べると75%の値下げです。どちらも読み取ったトークンの単価の話であり、出力や書き込みを含む請求総額が75%下がるという意味ではありません。
100万トークンのコンテキストでも、Fable 5.1には長文入力を理由とする単価の上乗せはありません。ただし、入力するトークン数が増えれば、その分の料金は増えます。モデルの移行や選択も検討している場合は、Fable 5.1の移行・料金・キャッシュの解説で別途確認できます。
usageから料金を計算する
APIレスポンスのusage.input_tokensは、入力全体を表す数値ではありません。キャッシュを使わなかった入力だけが入ります。書き込みと読み取りは別のフィールドで報告されます。プロンプトキャッシュの利用状況の確認
| 計算で使う記号 | usageのフィールド | 意味 |
|---|---|---|
| U | input_tokens | キャッシュを使わない入力 |
| W5 | cache_creation.ephemeral_5m_input_tokens | 5分キャッシュの書き込み |
| W60 | cache_creation.ephemeral_1h_input_tokens | 1時間キャッシュの書き込み |
| R | cache_read_input_tokens | キャッシュ読み取り |
| O | output_tokens | 課金対象の出力 |
トークン数をそのまま代入した場合、通常呼び出しの料金は次の式で求められます。
text料金(米ドル) = (10 × U + 12.5 × W5 + 20 × W60 + 0.25 × R + 50 × O) ÷ 1,000,000
cache_creation_input_tokensは、W5とW60を合計した書き込み総数です。総数と保持時間別の内訳を両方足すと二重計上になります。入力の総量を調べたいときはU + W5 + W60 + R、料金を計算したいときは上の5項目の式、と使い分けてください。
複数リクエストを集計した試算
たとえば、社内文書の要約処理を一定期間実行し、複数リクエストのusageを合計して次の値になったとします。処理ごとに異なる保持時間を使っているため、5分と1時間の両方の書き込みが含まれる例です。
| 課金対象 | 集計したトークン数 | 通常料金での計算 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 通常入力 | 2,000 | 2,000 × $10 ÷ 1,000,000 | $0.02 |
| 5分キャッシュ書き込み | 20,000 | 20,000 × $12.50 ÷ 1,000,000 | $0.25 |
| 1時間キャッシュ書き込み | 10,000 | 10,000 × $20 ÷ 1,000,000 | $0.20 |
| キャッシュ読み取り | 80,000 | 80,000 × $0.25 ÷ 1,000,000 | $0.02 |
| 出力 | 5,000 | 5,000 × $50 ÷ 1,000,000 | $0.25 |
| 合計 | — | — | $0.74 |

この例の入力総量は112,000トークンですが、その全量に通常入力単価を掛けるわけではありません。また、読み取りが80,000トークンあっても、書き込みの0.45ドルを省けば見積もりは過小になります。
出力は、画面に見える回答の長さだけでは見積もれません。推論に使われるthinkingトークンも課金対象の出力に含まれるため、usage.output_tokensを使います。すでに含まれている推論分を、出力とは別にもう一度加算する必要はありません。拡張思考と課金
5分と1時間のキャッシュは、呼び出し間隔で選ぶ
キャッシュは「同じ内容を再利用できる」だけでなく、「保持時間内に再利用できる」ことが必要です。既定の保持時間は5分で、ttl: "1h"を指定すると1時間になります。ヒットするたびに保持時間は更新され、書き込み料金は再発生しません。ただし、読み取り料金はその都度かかります。保持時間の起点は書き込み・読み取りリクエストの開始時刻です。キャッシュの保持時間と制約
同じ長さの共通部分を一度だけ書き込み、その後H回読み取れる場合、共通部分だけの料金は次のように比較できます。
text共通部分のトークン数をP、初回以降のヒット回数をHとする 毎回通常入力:P × 10 × (1 + H) ÷ 1,000,000 5分キャッシュ:P × (12.5 + 0.25 × H) ÷ 1,000,000 1時間キャッシュ:P × (20 + 0.25 × H) ÷ 1,000,000
この条件では、5分キャッシュは初回の後に1回ヒットすれば通常入力より安くなります。1時間キャッシュは初回の後に2回ヒット、つまり合計3回の利用から安くなります。共通部分以外の入力と出力は同じとして比較しています。途中でキャッシュが切れたり、内容が変わったりすれば、この損益分岐は使えません。
10分間隔で同じ文書を3回参照する場合
50,000トークンの同じ共通部分を、0分、10分、20分に送るとします。間にほかのアクセスはなく、1時間キャッシュでは後の2回が実際にヒットするという仮定です。
| 方法 | 共通部分の扱い | 3回分の費用 |
|---|---|---|
| キャッシュを使わない | 通常入力が3回 | $1.50 |
| 5分キャッシュ | 毎回期限が切れ、書き込みが3回 | $1.875 |
| 1時間キャッシュ | 書き込み1回、読み取り2回 | $1.025 |

短い保持時間を選ぶと必ず安くなるわけではありません。この例では、5分キャッシュは再利用されず、書き込み単価の上乗せだけが残ります。反対に、数分以内に何度も連続して参照する処理では、1時間の高い書き込み単価を払う必要がない場合があります。
ヒットしないときに確認する点
Fable 5.1でキャッシュ対象になる最小の長さは512トークンです。それより短い場合、キャッシュのエラーを返すのではなく、通常の入力として処理されます。また、再利用する先頭部分が一致している必要があります。先に置いたツール定義、システム指示、メッセージなどを変更すると、その後の部分も再利用できなくなることがあります。トップレベルのeffortの変更も、キャッシュの無効化につながります。キャッシュの制約と無効化
自動キャッシュは、リクエストのトップレベルにcache_control: {"type": "ephemeral"}を指定して有効にできます。導入後は、まずcache_read_input_tokensが実際に増えているかを確認してください。設定があることと、費用を抑えられるヒットが発生していることは別です。
夜間処理ならBatchを検討する。ただし、キャッシュの命中は別に確認する
Message Batchesは、返答をその場で表示する必要のない要約、分類、抽出などに向いています。非同期で処理され、レスポンスのストリーミングはありません。多くのバッチは1時間以内に完了しますが、最大24時間かかり、完了しなかったリクエストは期限切れになります。即時性が必要な対話処理と、翌朝まで待てる処理を分けるのが出発点です。Message Batchesの仕様
先ほどの試算と同じ5項目のトークン数がBatchでも発生したなら、0.74ドルの半額で0.37ドルになります。キャッシュ書き込みと読み取りもBatch単価で計算できます。
ただし、同じ文書を含むリクエストを大量にまとめても、「最初の1件で書き込み、残りはすべて読み取り」とは限りません。Batchは非同期かつ並行して実行されるため、キャッシュのヒットはベストエフォートです。通常呼び出しで得られたキャッシュ内訳を、そのままBatchの確定的な予測には使えません。1時間の保持時間が役立つ場合もありますが、書き込み単価が高くなるため、実行結果のusageで判断します。
運用では、結果を回収して初めて費用と完了件数が確定します。
- 1バッチの上限は100,000リクエストまたは256MBのうち、先に達した方です。
- 結果の順番は保証されないため、投入時の順番ではなく
custom_idで元データと対応付けます。 - 結果はバッチ作成から29日間保持されます。必要な集計と結果は、その期間内に保存します。
errored、canceled、expiredとなったリクエストは課金されません。succeededの結果が自社の品質基準を満たさなかった場合は、APIとしての成功分に料金が発生します。再実行して再び成功すれば、その分もかかります。
料金表の外側にある条件も見積もりに加える
通常のトークン計算を済ませたら、推論地域とツール利用を確認します。直接提供のClaude APIでinference_geo: "us"を指定すると、すべてのトークン区分に1.1倍の係数が適用されます。Batchと併用する場合も適用され、通常料金に対して0.5 × 1.1 = 0.55になります。データ所在地と料金
先ほどの0.74ドルの例なら、米国指定は0.814ドル、同じトークン内訳でBatchも使う場合は0.407ドルです。この係数を、Amazon BedrockやGoogle Cloud経由の料金にそのまま適用してはいけません。提供元ごとの料金体系を確認する必要があります。
ツール定義、ツールの実行結果、会話履歴も入力トークンを増やします。さらに、サーバー側ツールには別の利用料金が設定される場合があります。たとえばWeb検索は、トークン料金に加えて1,000回当たり10ドルです。トークン料金のBatch割引を、こうしたサービス料金まで自動的に半額にするルールとして扱わないでください。ツールの料金
本番前の見積もりは、代表的な処理のusageから始める
日本語の文字数に固定の係数を掛けるだけでは、正確なトークン数は求められません。文書の形式、コード、ツール定義、会話履歴も含めた実際の入力で、トークンカウントまたは実行後のusageを使って確認します。
最初に、代表的な文書と出力条件で通常呼び出しを少数実行し、5つの課金区分を保存します。次に、実際の呼び出し間隔でキャッシュ読み取りが発生するかを確認します。Batchに移せる処理は、必要な完了時刻まで待てるかを決めたうえで別に試し、成功結果のusageを集計します。
月額の試算は、この1件当たりの費用に想定件数を掛けるところから始められます。ただし、文書の長さや出力、再実行の頻度がばらつくなら、単一の平均値だけにせず、短い文書と長い文書を分けて予算を置く方が原因を追いやすくなります。Claudeの利用者向けサブスクリプション料金とは区別し、APIで発生した利用量を見積もりの根拠にしてください。



