Seedance 2 の良いプロンプトは、雰囲気の長文ではなく、確認できるショット計画です。 まず被写体に名前を付け、参照素材の役割を決め、そのショットで何を見せるのかを書きます。 生成が外れたら全体を書き直さず、被写体、参照、連続性、動き、カメラ、スタイルのどこが崩れたかを一つずつ直します。 利用方法、API、価格、プロバイダー、モデル比較は別の判断です。プロンプトの中に混ぜると、映像の指示まで濁ります。
Seedance 2 のプロンプトカード
最初にカード化すると、何を守り、何を試すのかが見えます。長い文章を作る前に、この表を埋めるだけで失敗の原因も追いやすくなります。
| 項目 | 書く内容 | 確認すること |
|---|---|---|
| 被写体ラベル | 人物、物体、場所、道具の安定した名前 | 次のショットでも同じ対象を指しているか |
| 参照素材 | どの画像、動画、音声が何を制御するか | 顔、背景、動き、雰囲気が競合していないか |
| ショット目標 | このショットが映像内で果たす役割 | 一つのショットに全話を詰めていないか |
| 動作 | 画面上で見える動き | 抽象的な感情だけになっていないか |
| カメラ | wide shot、close-up、push-in、fixed shot など | 主カメラ指定が一つに絞られているか |
| スタイルまたは音 | 光、色、質感、ジャンル、環境音 | 被写体を埋もれさせていないか |
| 制約 | 維持するもの、出してはいけないもの | 顔、衣装、文字、構図を守れるか |
| 修正メモ | 失敗した時に最初に直す変数 | 次の生成で何を検証するか |

最初のカードはこのくらいで十分です。
text被写体ラベル:参照画像1の短髪で黒いレザージャケットの女性、Lena。 参照素材:画像1は Lena の顔と服装だけを制御。画像2は雨のネオン街だけを制御。 ショット目標:Lena が閉まった劇場入口へ歩く導入を作る。 動作:Lena は速足で歩き、一度だけ振り返り、ドアの前で減速する。 カメラ:wide shot、安定した水平線、ゆっくり push-in。 スタイル/音:夜の映画調、濡れた舗装、青緑と琥珀色のネオン、低い街の環境音。 制約:顔、髪型、ジャケットを維持。余計な人物を出さない。 修正メモ:カメラが揺れる場合は fixed wide shot に変更し、同じ被写体ラベルを保つ。
重要なのは文章の美しさではなく役割分担です。ラベルは同一性を守り、参照行は素材の優先度を決め、ショット目標は映像の目的を固定します。
動作より先に被写体をラベル化する
参照画像には人物、服、背景、道具、照明が同時に入っています。「画像の女性が歩く」と書くと、どの特徴を残すべきかが曖昧です。強いプロンプトは、先に対象を命名します。
| 状況 | 弱い書き方 | 強い書き方 |
|---|---|---|
| 複数人物がいる | 男性が歩く | char_main_male、ベージュのコートと丸眼鏡の男性が右へ歩く |
| 道具を維持したい | スマホを持つ | prop_phone_black は全ショットで右手に残る |
| 場所を保ちたい | 同じ通り | loc_neon_alley、赤い看板と青いもやのある濡れた狭い路地 |
| 二人が関わる | 見つめ合う | char_lena が char_driver を見る。両方のラベルを全ショットで維持 |
ラベルは短く、地味で、繰り返せるものにします。名前が長すぎたり、途中で変わったりすると、それだけで identity drift の原因になります。
参照素材の役割を先に決める
参照素材は多いほど強いわけではありません。画像、動画、音声が同時に指示を出すため、役割を分けないとモデルが勝手に優先順位を決めます。

| 素材 | 使う場面 | 止めどころ |
|---|---|---|
| 人物画像 | 顔、服、髪型、姿勢、同じ人物の維持 | 同じ人物に矛盾する見た目を複数入れない |
| 場所画像 | 建築、光、色、空気感 | 場所画像に動作まで担当させない |
| 動きやカメラの動画 | 歩き方、車の動き、カメラリズム | 一つのショットに複数のカメラ移動を重ねない |
| 音声 | 環境音、テンポ、ムード | 画面細部の制御に使わない |
素材が衝突する時は「画像1は顔とジャケット、画像2は街灯と濡れた路面だけ」と書きます。これだけで、三つ目の素材を足すより安定することがあります。
映像をショットに分ける
Seedance 2 で失敗しやすいのは、一本の短い映像に対して一つの大きな願望文を書くことです。人物が走り、カメラが回り、雨が強くなり、場所が変わり、別の人物が現れる。これは豊かではなく、競合です。
| ショット | 役割 | 書く焦点 |
|---|---|---|
| Shot 1 | 場所と空気を作る | 場所ラベル、人物の登場、wide shot |
| Shot 2 | 行動や意図を見せる | 動作、道具、medium framing |
| Shot 3 | 場面を閉じる | 反応、手渡し、出口、目的地 |
弱い例:
text映画のような女性が雨のネオン街を歩き、不安そうに見え、カメラが回り、劇場が見える。
強い例:
textShot 1:loc_neon_alley で char_lena が画面左から青いネオン雨の中へ入る。Wide shot、fixed camera、濡れた路面の反射。 Shot 2:char_lena が減速し、右手の prop_ticket を確認する。Medium close-up、軽い handheld、顔とジャケットを維持。 Shot 3:前方の閉まった劇場ドアへ切り替える。char_lena の背後から slow push-in。余計な人物なし。赤い劇場サインは文字ではなく形として見せる。
強い例は、各ショットでは少なく、全体では多くを伝えます。順序、同一性、カメラ、終点が明確だからです。
カメラとスタイルは一つの目的に絞る
カメラ語は便利ですが、並べすぎるとノイズになります。wide shot、close-up、pan、push-in、orbit、handheld、drone view を同時に書くと、モデルはどれかを捨てるしかありません。
| カメラ語 | 向いている用途 | よくある失敗 |
|---|---|---|
| Wide shot | 場所、規模、動線 | 被写体が小さくなる |
| Medium close-up | 顔、手、道具、意図 | 背景が消える |
| Slow push-in | 緊張感、注目 | 速すぎる、揺れる |
| Lateral tracking | 歩行、走行、車両 | 背景が流れすぎる |
| Fixed shot | 構図を守る | 動きが弱く感じる |
スタイルも同じです。「夜の映画調、濡れた舗装、青緑と琥珀色のネオン」で十分具体的です。十個のジャンルを重ねるより、被写体と動作を守る方が映像は安定します。
そのまま改造できる例
以下は出力保証ではなく、構造の見本です。変数を置き換え、修正メモを残してください。
人物の登場
text被写体ラベル:image 1 のクリーム色トレンチコートの女性 char_mara。 参照素材:image 1 は顔とコート、image 2 は駅のホーム。 ショット目標:列車ドアが開く前に Mara が一人で到着する。 動作:Mara はホームの光へ入り、黄色い線の近くで止まる。 カメラ:wide shot、fixed camera、薄い雨のもや。 スタイル/音:控えめな thriller mood、冷たい駅の光、遠い列車音。 制約:群衆なし、衣装変更なし、コート色を維持。 修正メモ:顔が変わる場合は文を短くし、顔、コート、ホームだけを繰り返す。
商品デモ
text被写体ラベル:prop_silver_headphones。 参照素材:image 1 は形状、image 2 はスタジオ照明のみ。 ショット目標:黒い台座の上でヘッドホンがゆっくり回る。 動作:製品が90度回転し、金属ヒンジに柔らかい光が走る。 カメラ:locked medium shot、zoom なし。 スタイル/音:premium product demo、清潔な反射、暗い背景。 制約:イヤーカップ形状とロゴ領域を維持。手と余計な文字なし。 修正メモ:形が崩れたら照明参照を外し、製品画像を優先。
アクション
text被写体ラベル:image 1 のオレンジジャケットのランナー char_runner。 参照素材:image 1 は服装。短い動画があれば走るリズムのみ。 ショット目標:水たまりを一度だけ飛び越える。 動作:加速し、水たまりを越え、前方へ着地する。 カメラ:lateral tracking、medium-wide framing。 スタイル/音:朝の通り、realistic motion、軽い水しぶき。 制約:ジャンプは一回のみ。slow motion explosion なし。ジャケットはオレンジ。 修正メモ:動きが弱ければカメラ変更より先に動詞を強くする。
無言の感情シーン
text被写体ラベル:image 1 の白髪まじりの老人 char_old_man。 参照素材:image 1 は人物、image 2 は台所。音声は静かな室内音のみ。 ショット目標:手紙を開けるか迷う瞬間を見せる。 動作:手紙を机に置き、手を横に置き、窓を見る。 カメラ:medium shot から slow push-in。 スタイル/音:暖かい午後の光、静かな domestic drama、台詞なし。 制約:台所の配置とひげを維持。字幕を出さない。 修正メモ:人物が増えたら only one person in frame を加え、道具を減らす。
修正マトリクス
失敗したら、全部を変えないでください。見えている失敗を一つ選び、次の生成では一つだけ変えます。

| 失敗 | よくある原因 | 修正 |
|---|---|---|
| 人物が変わる | ラベルが弱い、参照が衝突、人が多い | ラベルを再定義し、安定特徴を2-3個だけ残す |
| 連続性が切れる | ショット間の受け渡しが曖昧 | タイムラインと引き継ぐ要素を書く |
| 動きが弱い | 動詞が抽象的 | 動作を強くし、競合指示を削る |
| カメラが荒れる | 移動を重ねすぎ | 主カメラを一つにするか fixed shot にする |
| スタイルが混ざる | 光、色、ジャンルが衝突 | 一つのスタイル族だけ残す |
| 参照が無視される | 優先度が埋もれている | どのファイルが identity、scene、motion を担当するかを書く |
修正プロンプトの形:
text同じ被写体ラベル、参照優先度、ショット順を維持する。 修正するのは [観察した失敗] だけ。 変更するのは [一つの変数] だけ。 [固定した細部] は変えない。 再生成後、同じ失敗だけを確認する。
生成前のチェックリスト
日本語の検索面では「時系列で具体的に書く」「オーバープロンプトを避ける」という答えが目立ちます。実作業では、この二つをチェックリストに落とすと使いやすくなります。
| 確認項目 | 通過条件 | 直し方 |
|---|---|---|
| 被写体は一意か | 人物、道具、場所に安定したラベルがある | 「画像の人」ではなく char_lena のように名前を付ける |
| 参照素材は分担しているか | 画像、動画、音声の役割が分かれている | 画像1は顔、画像2は場所、動画は動きだけと書く |
| ショットは過密でないか | 一つの目的、一つの主動作、一つの主カメラ | ショットを2-3個に分ける |
| スタイルは一貫しているか | 光、色、質感が同じ方向を向く | 競合するジャンル語を削る |
| 制約は見える形か | 何を出さないか、何を保つかが具体的 | 「崩さない」ではなく「人物を増やさない」「服の色を変えない」と書く |
| 修正は測定できるか | 次の生成で一つだけ変える | カメラ、人物、スタイル、参照を同時に変えない |
この確認は、映像をきれいにするためだけでなく、失敗後に学習できる形にするためのものです。たとえば顔が変わった生成に対して、同時にカメラと色と場所も変えてしまうと、何が効いたのか分かりません。先に identity を固定し、その後で camera move や style を調整します。
商品や広告のショットでは、形状、ロゴ領域、背景、テキストの扱いを先に分けます。人物ドラマでは、顔、服、場所、手に持つ物を先に分けます。アクションでは、動作の強さとカメラの動きが競合しやすいため、動作を直す回とカメラを直す回を分ける方が安全です。
それはプロンプト問題ではない場合
Seedance 2 の悩みには、プロンプトではなくルート選択の問題もあります。
| 本当の質問 | プロンプト作成で扱うこと | 次のページ |
|---|---|---|
| どこで使えるか | 使える状態になった後の書き方 | 使い方ガイド |
| API で呼べるか | リクエスト内のプロンプト構造 | API ガイド |
| どの API provider か | 一貫したプロンプト要件 | プロバイダー比較 |
| 無料か有料か | 価格情報をプロンプトに混ぜないこと | 無料/有料ガイド |
| Veo や Sora と比べたい | Seedance 2 で効く制御変数 | モデル比較 |
プロンプトは映像の仕事を記述するものです。アクセス、価格、API、比較は別途確認してください。
よくある質問
Seedance 2 の最も安全なプロンプト構造は?
被写体ラベル、参照素材、ショット目標、動作、カメラ、スタイルまたは音、制約、修正メモをカード化します。
参照画像はどう書けばよいですか?
重要な人物、道具、場所を名前で指定し、その画像が何を制御するかを書きます。顔と服、場所、動きは分けた方が安全です。
長文プロンプトとショット分割はどちらがよいですか?
単純なクリップなら長文でも足ります。動作、場所、カメラ、感情の切り替えがあるならショット分割にします。
使いやすいカメラ語は?
wide shot、medium close-up、close-up、fixed shot、slow push-in、lateral tracking、handheld です。一ショット一主カメラから始めます。
人物が変わる時は?
被写体ラベルを強め、安定特徴を少数だけ繰り返し、衝突する参照を減らします。スタイルとカメラを同時に変えないでください。
参照素材はいくつ必要ですか?
少ないほど優先順位が明確です。人物画像1-2枚、場所画像1枚、必要なら動きまたは音の参照を一つにします。
これは Seedance 2 API ガイドですか?
いいえ。プロンプト作成では構造と修正を扱います。API、プロバイダー、価格、アクセスは別ページで確認します。
