事実性の高い図解、複雑な指示、1K / 2K / 4K の明示的な出力指定が必要なら、まず Nano Banana Pro を小さく試すのが自然です。既存の BytePlus 運用で、2〜14 枚の参照画像、連続生成、BytePlus の現行料金ページにある成功出力 $0.04/枚 という契約が合っているなら、Seedream 4.5 を検証対象に残せます。ただし新しい ByteDance 案件なら、4.5 だけで決めず Seedream 5.0 Pro/Lite も同じ受け入れテストにかけるべきです。
本稿は2026年7月18日時点の公式契約を比較したもので、同じプロンプト、同じ解像度、同じ提供環境での有料 side-by-side テストではありません。したがって、日本語文字の勝率、生成速度、総合画質の winner は断定しません。Google の製品説明も ByteDance の社内 benchmark も、両社を同条件で比較した第三者試験ではないからです。
用途別に先に結論
| 納品条件 | 最初に試すモデル | 理由 | 本番前の停止条件 |
|---|---|---|---|
| 日付・商品名・数値を含む事実性の高い図解 | Nano Banana Pro | Google が Search grounding と複雑な professional asset を公式に位置付け | 出典と画像内の値を人が照合できないなら採用しない |
| 1K・2K・4Kをジョブごとに指定 | Nano Banana Pro | 公式ガイドに3段階の出力 tier がある | 4K対応を「常に4K」と誤解しない |
| 商品や人物の複数参照、連続したバリエーション | Seedream 4.5 | BytePlus が2〜14枚の参照画像と sequential generation を公開 | provider固有の上限と出力形式が要件に合わなければ止める |
| 出力単価を抑えた既存4.5パイプライン | Seedream 4.5 | 現行リストに残り、成功出力は $0.04/枚 | 再生成と人手修正を足した実効コストが逆転したら見直す |
| 新規のByteDanceプロジェクト | 4.5と5.0系を同時評価 | 5.0 Proが現在のprofessional image model | 旧モデルだけで長期契約しない |
これは勝者表ではなく、テストの開始位置です。日本語入りのバナーと、文字を含まないコンセプトアートでは、失敗の意味がまったく違います。
日本語入りの納品物は、最初に検品基準を作る
日本語画像では「文字が読める」だけでは足りません。漢字、ひらがな、カタカナ、全角と半角、曜日、円表記、句読点、改行、小さな注意書きまで一致して初めて、そのまま納品できます。
以下は本稿のために作った再現可能な検品用テキストです。競合ページの作例ではなく、これから両モデルで試すための worksheet です。
- 見出し:
夏の新作展 2026 - サブ見出し:
7月18日(土)18:30 開演 - 価格:
前売 1,980円(税込)/当日 2,400円 - 注意書き:
会場:新宿西口ギャラリー|未就学児入場不可
この四行を、ポスター、商品ラベル、情報図、既存画像の文字差し替えに使います。さらに複数参照の商品シリーズを加え、各タスクを各モデルで最低3回実行します。記録するのは次の項目です。
- 文字列の完全一致、欠字、誤字、全半角、句読点、改行;
- 指定していない物体、比率のずれ、参照した人物・商品の変形;
- provider、model ID、解像度、prompt optimization、実行日時;
- 再生成回数、修正にかかった分数、合格した画像数。
今回はこの有料試験を実行していないため、結果欄は空白です。ひとつの偶然よい出力を「日本語に強い証拠」にせず、3回の結果と失敗例を残してください。
「使える1枚」のコストを計算する
日本の制作現場では、API代よりも確認・差し戻し・修正の時間が高くつくことがあります。比較式は次のとおりです。
使える1枚あたりのコスト =(API総額 + 修正時間 × 1分あたり人件費)÷ 合格画像数
公式単価だけなら Seedream 4.5 が安く見えます。しかし日本語価格を毎回修正するなら、その差は縮みます。逆に、文字は後からデザインツールで差し替える前提なら、高価な text rendering に払う意味が小さくなることもあります。自分の納品工程を式に入れない限り、単価比較は結論になりません。
公式価格を使った1,000枚の成功出力の下限は次のとおりです。為替、消費税、入力、grounding、人手修正、provider markup は含みません。
| 公式リスト価格のシナリオ | 1,000成功出力 | 注意点 |
|---|---|---|
| Seedream 4.5 | $40 | 入力画像は無料。失敗して出力されない画像は課金対象外 |
| Nano Banana Pro 1K/2K Standard | $134 | 入力、text/Thinking、Search groundingなどは別費用になり得る |
| Nano Banana Pro 4K Standard | $240 | 4Kを明示的に選ぶ場合 |
| Nano Banana Pro 1K/2K Batch/Flex | $67 | 即時性ではなくqueued work向け |
| Nano Banana Pro 4K Batch/Flex | $120 | 同上 |
価格は変わります。発注時には Google の価格表と BytePlus の現行 billing を再確認してください。
Nano Banana Proの公式契約で確認できること
Nano Banana Pro の現在の安定した Gemini Developer API モデルコードは gemini-3-pro-image です。旧記事や wrapper に残る gemini-3-pro-image-preview は、Google の現在の正規名として使えません。
Google の画像生成ガイドでは、1K・2K・4K、Search grounding、Thinking、最大14枚の参照画像が説明されています。ただし14枚は自由枠ではありません。Pro では high-fidelity object が最大6枚、character consistency が最大5枚、style reference が最大3枚という内訳です。すべての Gemini 生成画像には SynthID が含まれます。
この契約から言えるのは、複雑な指示、事実性が必要な visual、サイズを分ける制作フローの試験候補になることです。「日本語の文字が必ず正しい」「あらゆる商品写真で最高」という結論までは出ません。Search grounding を使っても、画像内の数値と出典は人が確認する必要があります。
Seedream 4.5を残す実務上の理由
BytePlus ModelArk の現行モデルは seedream-4-5-251128 です。テキストからの生成、単一画像の編集、複数参照の編集、テキストまたは参照画像からの batch/sequential generation が公開されています。
複数参照は 2〜14 枚です。sequential output では入力参照と生成画像の合計が15を超えられません。現在のAPIページでは4.5の出力形式はJPEG固定、URLとBase64で受け取れ、URLは24時間で失効します。可視watermarkは切り替え可能です。保存ジョブはURLを後回しにせず、期限内に自分のストレージへ移す必要があります。
ByteDance はSeedream 4.5 の公式ページで、4.0と比べた複数画像の主体識別、参照ディテール保持、typography、dense text の改善を説明しています。そこにある MagicBench は社内 benchmark であり、Nano Banana Proとの勝敗表ではありません。日本語の価格、曜日、小さな免責文が正しく出るかは、前述の検品セットで確かめる必要があります。
ModelArk が示す 500 IPM は理論上の最大値です。負荷と呼び出し方法で変わるため、SLAや実運用の保証値として容量設計に使ってはいけません。
4.5を選び続けるか、5.0へ進むか
Seedream 4.5 は現在も BytePlus のモデル一覧にあり、確認した deprecation notice では停止扱いではありません。既存の自動処理が4.5のJPEG、参照入力、sequential outputに合わせてあり、回帰テストを持っているなら、即時移行する必要はありません。
一方で、Seedream 5.0 Pro は現在の ByteDance professional image model です。新規案件なら、4.5の安さだけで固定せず5.0 Pro/Liteを同じ日本語検品セットで比較します。「新規は5.0系も先に試す」はライフサイクルを見た編集上の推奨であり、4.5の終了予告ではありません。
次のどれかが起きたら、この記事の結論を止めて再テストしてください。
- モデルID、価格、参照枚数、出力形式、利用地域が変わった;
- providerがpromptを書き換えたり、既定解像度や後処理を変えた;
- 納品物がラフ画像から商品パッケージ、法定表示、事実型の図解へ変わった;
- 安いモデルの再生成回数または修正時間が増えた;
- 5.0系が同じ回帰セットで4.5と同等以上の合格率になった。
公式情報を確認してから接続する
最終判断では、次の順番で確認します。
- Google の Gemini 3 Pro Image model card、image generation guide、pricingで現在のID、参照画像、出力tier、料金を確認;
- ByteDance の Seedream 4.5 pageと BytePlus の Image generation APIでversion、region、入出力、sequential ruleを確認;
- 実際に使うproviderのmodel listを確認し、日本語検品セットを各3回実行;
- 見た目の好みではなく、合格率、修正時間、請求額で決定。
複数モデルの請求と切り替えを一つにまとめたい場合、laozhang.ai の公開ドキュメントには Nano Banana Pro と seedream-4-5-251128 の両ルートがあります。ただし Nano Banana Pro のページには旧 preview alias も残っています。接続前に live model list と console を確認し、正確な alias が解決済みだと思い込まないでください。最新の公式契約と直接サポートが優先なら公式API、切り替えの運用負荷を減らしたいなら、確認後にgatewayを比較するのが安全です。
新世代同士のコストとルートを選びたい場合は、Nano Banana 2とSeedream 5.0 Liteの比較に進んでください。
最終判断
Nano Banana Pro は、Search-grounded な処理、複雑な指示、明示した出力tierを必要とする案件の第一候補です。Seedream 4.5 は、既存の多参照・連続生成フローと低い出力価格が合う案件の有力な継続候補です。
日本語の納品品質は、公式説明や社内 benchmark だけでは決まりません。各モデルを同じ検品セットで3回ずつ試し、使える1枚のコストを計算する。モデル、provider、納品基準が変わったら結果を捨てて再テストする。それが、この比較を2026年の実務で使える判断に変える方法です。



