結論から言うと、OpenAIのサイズ・品質・編集制御をそのまま使いたい案件はGPT Image 2から、複数の参照画像を保ちながら人物やデザインを展開したい案件はSeedream 4.5から試すのが合理的です。ただし、日本語ポスターや商品ページの本番モデルは、1枚の作例では決めません。同じ7課題を各3回生成し、採用できた画像の比率、修正時間、請求された失敗を含めて選びます。
2026年7月18日時点でOpenAIの公式IDはgpt-image-2、snapshotはgpt-image-2-2026-04-21です。Seedream 4.5はByteDanceのモデルで、Volcano Engineの例ではdoubao-seedream-4-5-251128が使われます。gpt-image-2-vipやサービス内クレジットはプロバイダー契約であり、公式モデルIDや公式料金ではありません。
まず「どちらを先に試すか」を決める
| 制作条件 | 最初の候補 | 先に試す理由 | 切り替え条件 |
|---|---|---|---|
| Images API、Responses、mask編集、size/quality指定が既存フローにある | GPT Image 2 | OpenAI公式の生成・編集・inpainting契約をそのまま使える | 3回とも文字、配置、mask外を壊す |
| 複数参照で人物、衣装、小物、シリーズ感を維持したい | Seedream 4.5 | ByteDanceが複数画像の主体識別と参照詳細の維持を主要用途にしている | 顔や小物が失われ、手修正が増える |
| 日本語の販促物で文言と位置が固定 | 両方 | 「日本語が得意」という一般論では案件の文字列を証明できない | 正確な文字と無文字の正負テストで採用率を比較 |
| 低品質の大量ラフを非同期処理したい | GPT Image 2 Batchも比較 | OpenAIはBatch対応と50%割引を案内している | 対話的な待ち時間が必要、またはプロバイダーが割引を引き継がない |
| 複数案を同じ世界観で展開したい | Seedream 4.5 | multi-image editingと画像セットが候補になる | 出力サイズ、契約、再現性が本番条件を満たさない |
これは総合順位ではありません。レイアウト修正はGPT Image 2、参照展開はSeedream 4.5のように、同じ制作ラインで役割を分けても構いません。
日本語制作では「文字が出る」と「余計な文字が出ない」を分ける
日本語の比較で見落とされやすいのは、文字を要求したテストだけでは不十分なことです。モデルが指定文を読める形で描けても、行を追加したり、値段やロゴを勝手に足したりすれば入稿できません。逆に、文字を禁止した背景素材に擬似文字が入ることもあります。
正テスト:固定した日本語をそのまま描く
テストカードの例は次のようにします。
“春の展示会ポスター。文字は3行だけ。1行目「灯りの設計展」、2行目「土曜 10:30—18:00」、3行目「会場 ギャラリーB-17」。漢字、ひらがな、カタカナ、英数字、記号、改行を変更しない。1行目は上部中央、2行目はその直下、3行目は右下。ほかの読める文字は禁止。
採否は文字列だけでなく、行数、全角・半角、長音、句読点、B-17、位置、重なりを別々に記録します。縦組みが必要な案件は「縦組みを許可する文字列と行」も固定し、横組みの結果と混ぜません。
負テスト:同じ画面から文字を完全に除く
同じ構図で、次は「読める文字、数字、価格、ロゴ、透かし、看板、擬似文字を画面内のどこにも置かない」と指定します。正テストと負テストを対にすると、文字を生成する能力と、不要な文字を抑制する能力を分離できます。
英語や中国語で成功した作例は、日本語の採否根拠にはしません。また、1回成功しても「日本語に強い」とは断定しません。同一endpoint、同一size、同一qualityで各3回行い、失敗画像も残します。
7課題×3回の日本向け受入テスト
本番判断に必要なのは、見栄えの投票ではなく受入条件です。各モデルで次の7課題を3回ずつ実行します。1リクエスト1画像なら、モデルごとに21画像です。
| 課題 | 合格条件 | 主な失敗記録 |
|---|---|---|
| 1. 日本語3行ポスター | 全文字、改行、記号、位置が一致 | 誤字、行追加、位置ずれ |
| 2. 無文字ミラー | 読める文字、ロゴ、価格がゼロ | 擬似文字、透かし、看板 |
| 3. 複数参照の人物 | 顔、髪、衣装、小物の識別点を維持 | 別人化、衣装混同、小物消失 |
| 4. 商品フラットレイ | 商品数と指定グリッドを維持 | 商品置換、重複、比率変更 |
| 5. 局所編集 | mask内だけ変更 | 背景、顔、色調への波及 |
| 6. 複数人物の構図 | 人物の役割、視線、位置を維持 | 人物融合、手足、役割逆転 |
| 7. 入稿サイズ | 指定ratio、寸法、formatで納品可能 | クロップ、再レイアウト、書き出し失敗 |
テスト開始前に、model IDまたはalias、provider、region、endpoint、size、quality、参照画像、mask、乱数設定の有無を固定します。各試行では請求状態、待ち時間、reject理由、修正分数を残します。
同じ課題で3回不合格になったら、そのモデルへの追加リトライを止めます。 別モデルへ切り替えるか、文字を通常のDTPレイヤーで重ねます。無制限のリトライは見かけの品質を上げますが、制作費を隠します。
公式契約で比較できる範囲
GPT Image 2
OpenAIのモデルページは、Batch、画像生成、編集、inpaintingをサポート対象として示しています。画像生成ガイドでは、単発の生成・編集にImages API、会話的または複数ステップの処理にResponsesのimage_generation toolを使い分けます。Responsesでは、選択したメインモデルのトークンも別に考えます。
GPT Image 2のqualityはlow、medium、high、autoです。PNG、JPEG、WebPに対応し、最大辺3840px、各辺16の倍数、縦横比3:1以下、総画素数655,360〜8,294,400という条件内で複数サイズを指定できます。2560×1440を超える総画素の出力は実験的と記載され、透明背景は現時点で非対応です。
参照画像は常にhigh fidelityで処理され、input_fidelityを変更できません。参照入力のコストが増える可能性があります。OpenAI自身も、複雑なpromptは最大2分かかる場合があり、精密な文字位置、同一キャラクターの反復、レイアウト構成は失敗し得ると説明しています。これはSeedreamとの勝敗データではなく、GPT Image 2側の停止条件です。
Seedream 4.5
ByteDance Seedの公式ページは、複数画像からの主体識別、参照詳細の保持、ポスターの小さな文字、制御可能なmulti-image editingを中心に説明しています。公式例はテスト項目を決める材料になりますが、同ページのMagicBenchはSeedream 4.0との内部比較です。GPT Image 2に勝つという第三者評価ではありません。
Volcano Engineの公式ガイドでは、Seedream 4.5についてtext-to-image、編集、参照画像、複数画像入力、画像セット出力が案内されています。国際版BytePlusと地域版Volcano Engineでは名称や提供条件が異なり得るため、結果表にrouteとversionを併記します。
75.5%は品質点ではなく、料金行の交点
OpenAIの現在の計算例では、GPT Image 2の1024×1024出力はlowが約$0.006、mediumが約$0.053、highが約$0.211です。これはoutputの例であり、promptや参照画像のinputを加える場合があります。一方、BytePlus ModelArkはSeedream 4.5を$0.04 / output imageと掲載しています。
制作で比較すべき式は次です。
採用1枚あたりの費用 =(請求された全生成費+input費+修正費)÷ 採用枚数
修正時間を金額に換算していない場合は、採用1枚あたりの修正分 = 総修正分 ÷ 採用枚数を別の指標として記録します。
まず追加費用を除いて1回の採用確率だけで近似すると、単価 ÷ 採用率です。GPT Image 2 medium 1024×1024とBytePlusのSeedream行では、
$0.04 ÷ $0.053 = 0.7547
となります。つまりSeedreamの採用率がGPT Image 2の採用率の約75.5%を上回る間は、Seedreamの採用1枚あたりのoutput費が安くなります。GPTの採用率が80%なら、Seedreamは60.4%を超える必要があります。
| 20回生成した例 | 採用枚数 | output請求 | 採用1枚あたり |
|---|---|---|---|
Seedream 4.5:$0.04行 | 12枚 | $0.80 | $0.0667 |
GPT Image 2 medium:$0.053例 | 16枚 | $1.06 | $0.0663 |
呼び出し単価だけならSeedreamが安く見えますが、この例では採用費がほぼ同じです。GPTのlow/high、別サイズ、OpenAI Batch、参照input、税、為替、修正時間を入れれば交点は変わります。したがって75.5%をモデルの品質スコアや恒久価格として引用してはいけません。
円換算は最後に行います。まず契約通貨で請求と採用費を確定し、決済日の為替、消費税、プロバイダー手数料を加えます。「1枚○円」と固定すると、モデル性能と決済条件が混ざります。
公式価格とプロバイダー価格を同じ列に置かない
日本語の比較ページには、月額クレジット、独自の4K表記、最大参照数、待ち時間が並ぶことがあります。これらは各サービスのrouteで成立する条件であり、OpenAIやByteDance全体の条件ではありません。
例としてLaoZhangの2026年7月18日時点の文書は、seedream-4-5-251128を$0.045/image、default groupのgpt-image-2とgpt-image-2-vipを$0.03/callとしています。後者のVIP routeには現在size/quality指定があります。しかし、これはLaoZhangの契約であり、OpenAIの$0.006/$0.053/$0.211例やBytePlusの$0.04/outputを置き換えません。
プロバイダーを使う場合は、次の項目を確認します。
- aliasが指すupstreamモデルとsnapshot
- endpoint、size、quality、参照画像の実マッピング
- 失敗、moderation、timeoutの請求条件
- region、データ保持、request ID、サポート範囲
- 税、為替、クレジット失効、返金条件
両モデルを1つのgatewayで小さく検証したい場合はプロバイダーが便利です。一方、upstream identity、公式パラメーター、データ処理、契約上の管理が優先なら、そこで止めて公式直結を選びます。
最終判断のチェックリスト
- OpenAIの編集・Responses・サイズ制御が制作基盤なら、GPT Image 2を先に3回試す。
- 複数参照、人物同一性、シリーズ展開が中心なら、Seedream 4.5を先に3回試す。
- 日本語は正確な3行テストと無文字ミラーを必ず対にする。
- 7課題×3回で、採用率、請求、修正分数を記録する。
- 75.5%はmedium 1024×1024とBytePlusの現在行だけの交点として扱う。
- JPY換算、消費税、クレジット価格はモデル比較の後に、route名と日付つきで加える。
- 同じ課題で3回失敗したら切り替える。両モデルを使い分けてもよい。
関連ガイド
よくある質問
GPT Image 2とSeedream 4.5はどちらが安いですか?
quality、size、route、採用率を決めない限り一意に答えられません。BytePlusの$0.04/outputはGPT Image 2 medium 1024×1024の約$0.053/outputより低い一方、GPT lowはさらに低く、highは高くなります。inputと修正費も加えてください。
日本語文字はどちらが正確ですか?
公式ページだけで普遍的な勝者は決められません。実際に使う日本語、句読点、改行、位置を固定し、同じrouteで3回試します。文字禁止の負テストも必要です。
1枚の同一prompt比較で決めてもよいですか?
いいえ。1枚は偶然を強く含みます。少なくとも7課題×3回で、成功画像だけでなく不採用理由、請求、修正時間を残します。
日本のプロバイダーや統合gatewayを使ってもよいですか?
使えますが、その価格、参照数、速度、決済はプロバイダー契約です。upstream identityや公式管理が必要なら、直接のOpenAIまたはByteDance系routeを選びます。
