多くの開発者が Nano Banana 2 と呼んでいたモデルの正式名は Gemini 3.1 Flash Image(gemini-3.1-flash-image-preview)です。いま大事なのは名前の確認より、サイズごとの公式料金がはっきり見えるようになったことです。Google はこのモデルを 2026年2月26日に Nano Banana 2 の公式投稿 で紹介しました。そして 2026年4月4日に Google の Gemini API pricing ページ を確認すると、現在の公式価格は 1K が $0.067、2K が $0.101、4K が $0.151。Batch を使うとそれぞれ $0.034、$0.050、$0.076 です。
ここで本当に大事なのは「Gemini 3.1 Flash Image とは何か」を長く説明することではありません。読者が本当に知りたいのは、本番環境で 1K、2K、4K のどれを標準にすべきかです。ここを曖昧にしたまま使い始めると、請求額、素材運用、再利用性が全部ぶれます。結論を先に言えば、通常は 1K を標準、トリミング余地や再利用前提なら 2K、4K は明確な後工程の要件がある時だけ、という方針が最も実務的です。
先に結論
| サイズ | 標準価格 | Batch 価格 | 向いている用途 |
|---|---|---|---|
512 | $0.045 | $0.022 | 速いドラフト、小さな表示面、内部レビュー |
1K | $0.067 | $0.034 | 多くの Web 配信と通常のプロダクト用途の標準 |
2K | $0.101 | $0.050 | トリミング余地、Retina アセット、再利用前提の素材 |
4K | $0.151 | $0.076 | 大判出力、マスター素材、重い多面展開 |
最初に固定しておくべき事実は 3 つあります。
gemini-3.1-flash-image-previewには 無料枠がありません。- 公式の image generation ガイド では、サイズを指定しない場合の標準値が
1Kです。 1K、2K、4Kは 大文字のKが必要で、1kや2kは受け付けられません。
Gemini 3.1 Flash Image の公式料金をサイズ別に見る
今回の Google の pricing ページが使いやすいのは、単に「100万 output tokens あたりいくら」だけでなく、サイズごとの 1 枚あたり相当額まで示している点です。Gemini 3.1 Flash Image の標準 image output は 100万 output tokens あたり $60 で、そこからサイズごとに次のような価格になります。
imageSize | 標準価格 | Batch 価格 | Output tokens | 実務での読み方 |
|---|---|---|---|---|
512 | $0.045 | $0.022 | 747 | 1K より安いが、通常の本番標準には小さすぎる |
1K | $0.067 | $0.034 | 1120 | もっとも無難な標準サイズ |
2K | $0.101 | $0.050 | 1680 | 再利用しやすい元素材にしたい時の上位択 |
4K | $0.151 | $0.076 | 2520 | 明確な理由が必要な高コスト帯 |
重要なのは、数字そのものより差の性質です。1K から 2K への上昇は無視できませんが、まだ「実務向けの上位設定」と呼べる範囲です。これに対して 1K から 4K は別の判断になります。4K は 1K の約 2.25 倍。これは細かい最適化ではなく、標準方針そのものに関わる差です。
だからこそ、初期の "Nano Banana 2 pricing" 記事はすぐに古くなりました。Google がサイズ別の公式料金をはっきり出す前は、コミュニティの推定や初期公開時点の断片情報に頼るしかなかったからです。いまはもう、ざっくりした相場感より公式の価格ラダーを前提にした方がよい段階です。
Google は実際にどこで課金が動くのか
このテーマで一番誤解されやすいのは、「プロンプトが長いほど高くなるからコストがぶれる」と考えてしまうことです。Gemini 3.1 Flash Image では、多くのケースでコスト差を作る主因は 出力画像のサイズ です。
Google の標準価格では text/image input が 100万 tokens あたり $0.50、Batch input が $0.25。通常の image-generation フローでは、この入力側は出力画像料金に比べてかなり小さいことが多いです。つまり、普通の長さのプロンプトであれば、請求額を大きく動かしているのはプロンプトの文量ではなく 1K・2K・4K の選択です。
予算を組む時の正しい順番は、まずサイズ別の出力コストを見て、その後でプロンプトや入力トークンの整理を見る、です。後者も無意味ではありませんが、このモデルでは主戦場ではありません。
さらに、Google Search grounding は別料金 である点も忘れてはいけません。pricing ページには、1 回のユーザーリクエストが 1 回以上の検索クエリを発生させる場合があり、そのクエリごとに無料枠を超えたぶんが課金されると書かれています。Search grounding 付きの画像生成フローを組むなら、単純な画像単価だけでは全体コストを見誤ります。ただし通常の生成なら、中心はあくまで解像度ラダーです。
1K、2K、4K のどれを標準にするべきか

多くの用途では 1K が正しい標準です。理由は「1K が常に最高」だからではなく、現実の配信経路を壊さずに通せる最小サイズ になりやすいからです。Web ページ、商品カード、アプリ画面、記事の見出し画像、一般的な SNS 配信であれば、1K で十分なことが多く、同時にコストも抑えられます。
2K に上げるのは、画像を後でトリミングする、複数の面で再利用する、Retina 向けアセットとして使う、あるいは少しでも耐久性の高い元素材にしたい、といった事情がある時です。2K は「高級モード」ではなく、むしろ再利用前提の実務アップグレードと考える方が正確です。
4K は例外扱いでよいサイズです。大判出力、印刷寄りの利用、マスターアセット、1 回の生成を多くのチャネルに重く使い回すケースなど、明確な後工程の要件がある時だけ使うのが筋です。逆に言えば、「なんとなく高い方が安心そう」という理由で 4K を標準にするのはコスト判断として弱いです。
512 は Gemini 3.1 Flash Image にだけ加わった低いラダーで、ドラフトや非常に小さな面では便利です。ただし通常の本番出力の標準として考えるべきサイズではありません。
月額コストにすると差はどこまで広がるのか

1 枚あたり価格だけを見ると大きな差に見えなくても、量が乗ると意味が変わります。
| 数量 | 1K 標準 | 1K Batch | 2K 標準 | 2K Batch | 4K 標準 | 4K Batch |
|---|---|---|---|---|---|---|
100 枚 | $6.70 | $3.40 | $10.10 | $5.00 | $15.10 | $7.60 |
1,000 枚 | $67 | $34 | $101 | $50 | $151 | $76 |
10,000 枚 | $670 | $340 | $1,010 | $500 | $1,510 | $760 |
この表が教えてくれるのは、1K を標準にするのか、4K を標準にするのかは、別の予算方針だということです。1,000 枚の時点で、1K と 4K の差は標準価格で 月 $84。10,000 枚なら 月 $840 です。画像生成以外にも複数の有料モデル呼び出しがあるプロダクトでは、この差は十分に無視できません。
Batch は確かに答えを変えます。夜間バッチ、非同期生成、予約配信用のマーケティング素材など、リアルタイム性が不要な作業では強力な節約手段です。4K でも $0.076 まで下がります。それでもロジックそのものは変わりません。Batch は高解像度を「少し安くする」のであって、「標準で選ぶべき正解」に変えるわけではありません。
実務的には、リアルタイム用の標準サイズを 1 つ決め、例外的な高解像度ルートを 1 つ決め、待てる処理は Batch に送る、という構成が最も扱いやすいです。
Flash に残るべきか、別モデルに移るべきか

サイズ選びだけでなく、モデルレーン自体が正しいかも考える必要があります。
もし欲しいのが もっとも安い公式 Gemini の 1K 画像ルート なら、古い Gemini 2.5 Flash Image はまだ有力です。Google の価格は標準 $0.039/枚、Batch $0.0195/枚。1K に限れば Gemini 3.1 Flash Image より安いのは事実です。ただし、その代わりに 512 から 4K までを 1 つの契約で扱える新しいラダーは持てません。
一方、小さいドラフトから 4K まで 1 本の公式 Google レーンで扱いたいなら、Gemini 3.1 Flash Image が現在の基本回答です。これがこのモデルの本当の価値です。512 はドラフト、1K は標準、2K は再利用しやすい元素材、4K は要件の重い最終素材と、1 本のルートで整理できます。
もし本当に必要なのが より高い品質、より重いプレミアム・ワークフロー、または reference image を多く使う運用 なら、見るべきは Gemini 3 Pro Image です。Google の公式価格は 1K-2K が $0.134、4K が $0.24。Batch ならその半額です。これは Flash とは明らかに別のコスト帯で、そうする理由がある時だけ選ぶべきレーンです。そこを比較したいなら、次は Nano Banana Pro API ガイド を読む方が役に立ちます。
整理すると、ルーティングは次のように考えるのが自然です。
- 1K の最安コストが最優先なら Gemini 2.5 Flash Image
512から4Kまでを含む現在の標準ルートが欲しいなら Gemini 3.1 Flash Image- より高い品質や重い参照画像運用 が必要なら Gemini 3 Pro Image
imageSize を明示しないと、予算判断は机上の空論になる
ここでの運用上の落とし穴は単純です。価格の議論は、実際のリクエストがそのサイズを要求して初めて意味を持ちます。Google の image generation ガイドには、Gemini 3 系の画像モデルは標準で 1K を生成し、有効な値は 512、1K、2K、4K だとはっきり書かれています。
そのため、パラメータは明示的に指定した方がよいです。
javascriptimport { GoogleGenAI, Modality } from "@google/genai"; const ai = new GoogleGenAI({ apiKey: process.env.GEMINI_API_KEY }); const response = await ai.models.generateContent({ model: "gemini-3.1-flash-image-preview", contents: "Create a clean ecommerce hero image of a ceramic mug on a stone surface.", config: { responseModalities: [Modality.TEXT, Modality.IMAGE], imageConfig: { imageSize: "2K", aspectRatio: "1:1", }, }, });
注意点は 2 つだけです。
1K、2K、4Kは大文字K512はそのまま512
小さな話に見えて、実務上は大きいです。チームが 2K 前提で予算を組んでいるのに、実際の API 呼び出しが標準の 1K のままなら、記事で説明している価格ロジックと本番の挙動は一致しません。
実務上の標準結論
2026年4月4日時点で、Gemini 3.1 Flash Image の公式な答えは十分に明確です。価格は 1K が $0.067、2K が $0.101、4K が $0.151。Batch では $0.034、$0.050、$0.076。サポートサイズは 512、1K、2K、4K、標準は 1K、そして 無料枠はありません。
したがって、最も実用的な運用ルールはこうなります。普段は 1K を標準にし、トリミング余地や再利用価値がある時だけ 2K に上げ、4K は後工程の要件が明確な時だけ使う。 もしこれが慎重すぎるように見えるなら、月額コスト表をもう一度見てください。多くの場合、それは慎重なのではなく、価格契約と実際の配送要件がようやく噛み合っているだけです。
