広告の背景画像を継続的に作るなら、まずFLUX.2 Proを基準に試すと比較しやすくなります。文字入りのビジュアルや細部の指示にこだわり、生成条件を自分で調整したいなら、FLUX.2 Flexが候補です。BFLはProを制作現場の処理量、Flexを文字表現・細部・推論時の調整に向けたモデルとして紹介しています。これは用途の位置づけであり、あらゆる画像での画質順位を示すものではありません。BFLのモデル選択ガイド
選定で効くのは、名前よりも「どこまで調整する必要があるか」と「納品条件を満たす画像にいくらかかるか」です。BFL直販では、参照画像なしの1 MP出力はProが0.03米ドル、Flexが0.05米ドル。4 MPになると0.075米ドルと0.20米ドルに差が広がります。料金・仕様は2026年9月6日確認のBFL公開APIを基準とし、他社サービスの価格や日本円への換算は含めていません。BFLのFLUX.2料金表
まず、納品物のどこを変えられないか決める
同じ広告制作でも、背景素材と文字入りの完成画像では選定条件が異なります。背景を生成し、キャッチコピーは後からデザインツールで配置するなら、画像内の文字精度をモデル選びの中心に据える必要はありません。商品ラベルまで画像生成で表現するなら、文字、形状、参照商品の再現がそのまま採否を左右します。
| 制作で優先すること | 試す順番 | 比較時に見る点 |
|---|---|---|
| 背景や素材を一定量作り、後工程で文字を組む | Proから試す | 構図、色、必要な余白、採用率 |
| 画像内の文字や小さな部品まで指示に合わせる | Proを基準にFlexも試す | 正確な表記、部品の形、調整による改善幅 |
| 商品写真を参照し、場面や背景を変える | 両方で同じ素材を試す | 商品の外観保持、編集範囲、参照画像の費用 |
| 生成条件の調整を制作工程に組み込む | Flexを検討する | 調整時間を含めて再現可能な手順になるか |
この表は試し方の提案です。Proも参照画像を使った編集に対応するため、「編集するならFlex」とは限りません。また、FLUX.2 Maxは別のモデルです。Proという名称だけでシリーズ最上位の画質を意味すると考えないほうが適切です。FLUX.2公式紹介、画像編集ガイド
日本語の見出しや商品名を画像に入れる場合、Flexの文字表現に関する公式説明から、日本語の正確さまで保証することはできません。「期間限定」「税込価格」、固有名詞、数字、句読点など、実際の納品原稿で確認してください。縮小表示では読めても、拡大すると文字の形が崩れている場合を見落とさないよう、納品サイズと拡大表示の両方で判定します。
Flexで調整できるものと、Proで固定されるもの
大きな違いは、Flexが推論ステップ数とガイダンスを公開APIで指定できることです。推論ステップ数は生成処理の反復回数、ガイダンスは文章の指示をどの程度強く反映させるかを調整する値です。
| BFL公開APIの項目 | Pro | Flex |
|---|---|---|
| エンドポイント | /v1/flux-2-pro | /v1/flux-2-flex |
| 推論ステップ数 | stepsの指定項目なし | steps:1〜50、既定値50 |
| ガイダンス | guidanceの指定項目なし | guidance:1.5〜10、既定値5 |
| 指示文の自動補強に関する項目 | disable_pup | prompt_upsampling、既定値true |
| 参照画像による編集 | 対応 | 対応 |
出典:ProのAPI仕様、FlexのAPI仕様。Pro欄は固定版の仕様です。ガイドに登場する/v1/flux-2-pro-previewとは呼び出し先を区別し、比較記録には実際に使用したモデル名を残してください。
Flexでは、ガイダンスを高くすると指示への忠実さが増す一方、写実性が下がることがあるとBFLが説明しています。数値を最大にすれば全面的に改善するわけではありません。例えば商品広告なら、指定した配置に近づくことと、素材の質感が自然に見えることを別々に確認する必要があります。Flexのガイダンス説明
調整を試すなら、最初に既定値のsteps=50、guidance=5で基準を作り、次に変数を一つずつ変えます。例えばガイダンスを固定してステップ数を20・35・50で比較し、その後にガイダンスを検討する方法があります。この数値の組み合わせは比較実験の例で、BFLの推奨設定ではありません。ステップ数を減らした場合の所要時間と採否は自分の素材で記録し、一定の高速化を前提に予算や納期を組まないようにします。
なお、現在の料金表は入出力のMPに基づいています。ステップ数を減らす割引は示されていないため、処理の調整とAPI料金の節約は分けて考えてください。Flexの「調整可能」は推論時の設定を指し、学習用の重み公開やLoRA対応を意味するものでもありません。ダウンロード可能なDevやKleinとはモデルが異なります。BFL料金表、モデル一覧
解像度を上げると、料金差はどう変わるか
BFLの計算では、1 MPは1,024 × 1,024ピクセルです。出力と各参照画像の解像度はそれぞれMP単位で切り上げられます。出力は最大4 MPであり、2,048 × 2,048ピクセルが4 MPに相当します。「4 MP」は「4K」と同じ意味ではありません。料金表の計算条件
| 課金される対象 | Pro | Flex |
|---|---|---|
| 出力の最初の1 MP | 0.03米ドル | 0.05米ドル |
| 出力の追加1 MPごと | 0.015米ドル | 0.05米ドル |
| 参照画像の1 MPごと | 0.015米ドル | 0.05米ドル |
以下はこの料金表からの計算例です。参照画像なしの1 MP・4 MP出力は、公式計算画面でも同じ金額が表示されます。生成結果や請求確定額の記録ではありません。
| 1回の条件 | Pro:1回 | Flex:1回 | 同じ条件で1,000回:Pro / Flex |
|---|---|---|---|
| 1 MP出力、参照なし | 0.03米ドル | 0.05米ドル | 30 / 50米ドル |
| 4 MP出力、参照なし | 0.075米ドル | 0.20米ドル | 75 / 200米ドル |
| 4 MP出力、課金対象1 MPの参照画像1枚 | 0.09米ドル | 0.25米ドル | 90 / 250米ドル |
| 4 MP出力、課金対象3 MPの参照画像1枚 | 0.12米ドル | 0.35米ドル | 120 / 350米ドル |
再生成と税金は含めていません。Proに対するFlexの価格比は、参照なしの1 MPで約1.67倍、4 MPで約2.67倍です。小さな試作だけで費用差を判断すると、納品サイズでの差を見積もり損ねます。

自分の条件で計算する場合、切り上げ・縮小処理後の出力をO MP、参照画像の合計をI MPとすると、1回あたりの米ドル料金は次のとおりです。
textPro = 0.03 + 0.015 × (O − 1) + 0.015 × I Flex = 0.05 × (O + I) Oは1〜4、Iは各参照画像の課金MPを合計した値
Flexの料金は、古い編集ガイドや概要ページに異なる数字が残っています。本稿の計算は確認日時点の詳細料金表に合わせています。見積もりを確定する際は、BFLの料金計算画面でモデル、出力サイズ、参照画像を指定して再確認してください。
参照画像は「枚数」と「元画像の解像度」を分けて数える
参照画像が1枚の場合、4 MPまでは元の解像度で処理され、それを超える画像は4 MPに縮小されて課金されます。複数枚の場合は、1 MPを超える各画像が1 MPに縮小され、それぞれ1 MPとして課金されます。参照画像の課金条件
例えば、4 MPの出力に課金対象3 MPの参照画像を1枚使うと、Proは0.12米ドル、Flexは0.35米ドルです。一方、3 MPの画像を2枚渡す条件では、各画像が1 MPに縮小され、参照の合計は2 MP。出力が同じ4 MPなら、Proは0.105米ドル、Flexは0.30米ドルになります。
ただし、参照を増やせば得になるという意味ではありません。処理される参照画像の解像度が変わるため、小さな商品ラベルや細部を維持したい仕事では、同じ入力品質として比較できません。元画像の枚数だけでなく、モデルに渡る解像度まで含めて選びます。
「安いモデル」は採用率を入れると変わる
予算管理では、生成1回あたりに加えて、採用できる画像1枚あたりの費用=支出総額 ÷ 採用枚数を見ます。同じ料金条件を繰り返す場合は、1回の料金を採用率で割っても計算できます。
例えば、参照なしの1 MP出力でProの採用率を60%と仮定すると、0.03 ÷ 0.60で採用画像1枚あたり0.05米ドルです。Flexは1回0.05米ドルなので、採用率100%でようやく同額になります。この60%は説明用の仮定であり、モデルの実測成績ではありません。

同じ考え方で、参照なしの4 MPではFlexの1回料金がProの約2.67倍です。FlexがAPI費用で並ぶには、採用率も約2.67倍必要です。Proの採用率が37.5%を超える条件では、Flexが100%採用されてもAPI費用だけでは逆転できません。ただし、Flexによって手直しや担当者の試行錯誤が減るなら、人件費を含む制作費では判断が変わります。
比べる前に、両モデルで同じ採用条件を決めておきます。商品を扱うなら形状と色、文字を入れるなら原稿との一致、広告枠に合わせるならトリミング後の構図を条件にします。良さそうな画像だけを数えず、不採用分と追加編集も支出に含めると、運用に使える比較になります。
API導入前に確認したい二つの落とし穴
参照画像10枚という説明を、そのままAPIの仕様にしない
BFLの画像編集ガイドでは、ProはAPIで最大8枚、Playgroundで最大10枚、FlexはAPIとPlaygroundで最大10枚と説明されています。一方、確認日時点のFlex API仕様にはinput_imageからinput_image_8までの8項目しか公開されていません。画像編集ガイド、FlexのAPI仕様
そのため、9枚・10枚の参照が必須の設計では、利用する画面またはエンドポイントで対応を確認してから採用を決めます。未記載のinput_image_9やinput_image_10を独自に追加して動作を前提にすることは避けてください。ブラウザー画面の上限と、組み込むAPIの入力欄は別々に確認する必要があります。
受付完了を、画像の取得完了として数えない
BFLの画像生成は非同期です。送信後に返るidとpolling_urlは処理の受付情報であり、その時点で画像を取得できたことにはなりません。指定されたURLで状態を確認し、Readyになってから結果画像を取得する流れです。署名付きの出力URLは10分間のみ有効なので、完了後は必要な保存先に画像を取得します。画像生成ガイド、結果取得の仕様
比較用の記録にも、モデル名、設定、入出力サイズ、処理結果、実際の画像取得、採否を残します。待機には上限時間を設け、エラーを記録します。HTTP 200や受付IDだけを「成功1枚」と集計すると、採用画像あたりの費用を正しく判断できません。
最初の比較は、本番の原稿と納品サイズで行う
まずはProで、実際の商品素材や広告原稿を使って基準を作ります。その結果で困る点が文字の再現や細部への追従なら、同じ納品条件でFlexを試し、既定値から一項目ずつ調整します。必要な仕上がりに届くか、採用率が料金差に見合うか、手作業をどこまで減らせるかを見れば、運用するモデルを決めやすくなります。
画面で試す場合とAPIに組み込む場合で、設定や参照枚数の条件を混同しないことも大切です。FLUX.2公式ページから試用方法を確認し、実装する場合は使うモデルのAPI仕様と料金計算画面を併せて開いてください。他の画像モデルも含めて制作方法そのものを比較したい場合は、Nano Banana 2・Midjourney・GPT Image・FLUX.2の比較も参考になります。



