日本でClaude APIを契約しても、通常のキーだけで Claude Mythos 5 は使えません。2026年7月22日時点の claude-mythos-5 は、Project Glasswingで承認された組織向けの限定提供です。公開申込フォームやConsoleの切り替え機能はありません。
また、4月に登場した claude-mythos-preview は、Anthropicが運営する基盤では7月21日に退役しました。以前から承認されていた組織はMythos 5への移行を担当者に確認します。承認のない開発者が今使うべき公開モデルは Claude Fable 5(claude-fable-5)です。
この記事の結論は次の一文に集約できます。
“日本から使えるかどうかは、所在地やregionだけでは判断できません。組織の承認、アカウント単位の復旧確認、担当者から割り当てられた提供基盤を合わせて判断します。
アクセス状況、価格、データ条件は2026年7月22日に一次情報で再確認しました。調達時にはリンク先をもう一度確認してください。
「日本から使える」を3つの証拠に分ける
検索結果にAWSの日本語記事やmodel cardが出ると、「AWSアカウントを作ればMythosが表示される」と考えがちです。しかし、導入判断に必要な証拠は別々です。
1. 組織の承認
Project Glasswingは、防御的サイバーセキュリティや重要なソフトウェア基盤を主な対象として始まった審査制プログラムです。過去の参加企業一覧や日本語の紹介記事は、あなたの法人が現在承認済みであることを示しません。
2. 現在の復旧状態
Anthropicは7月1日、Mythos 5をまず一部の米国組織で復旧し、より広い米国内・海外のGlasswing参加者については調整中だと説明しました。したがって、日本法人や国際組織は、過去の参加実績だけで「現在利用可能」と判断できません。
3. 割り当てられた提供基盤
承認後にClaude API、Amazon Bedrock、Google Cloud、Microsoft Foundryなどの利用先が決まります。クラウド側のページは「承認済み顧客を受け入れる仕組みがある」という証拠であり、組織の承認書ではありません。
この3点のうち一つでも確認できなければ、Mythos 5を前提に本番設計を進めないのが安全です。
現行モデル名を先に直す
日本語の上位ページには、現在もMythos Previewや旧料金を中心にした解説があります。実装前にモデルの状態を次のように読み替えてください。
| 名前 | 2026年7月22日の扱い | 実装上の意味 |
|---|---|---|
claude-mythos-preview | Anthropic運営基盤では7月21日に退役 | 以前から承認済みの顧客が移行元として確認するだけ |
claude-mythos-5 | Glasswing承認顧客向けの限定提供 | 通常のClaude APIキーには自動追加されない |
claude-fable-5 | 一般提供 | 特別承認なしで同じcapabilitiesを利用する公開ルート |
Anthropicの現行モデル文書によると、Mythos 5はPreviewの後継で、Fable 5は同じcapabilitiesに安全分類器を加えた一般提供モデルです。両者の公表仕様は1M context、最大128K output、基本料金はinput 100万tokenあたり10ドル、output 100万tokenあたり50ドルです。
4月のProject Glasswing資料にある $25/$125 はPreview期の条件です。現在のMythos 5料金として見積書に使わないでください。
復旧ニュースは「サービス」と「資格」を分けて読む
Mythosをめぐる6月の出来事は短期間で変わりました。6月9日にMythos 5とFable 5が発表され、6月12日に米国の輸出規制指令を受けて両モデルが停止、6月30日に規制が解除されました。7月1日にはFable 5がグローバルに復旧した一方、Mythos 5は一部の米国組織から段階的に戻りました。
この経緯はAnthropicの復旧案内で確認できます。ここで重要なのは、サービス停止が解消したことと、対象組織が一般公開されたことは別だという点です。「復旧済み」という見出しだけを根拠に、日本の任意アカウントで使えるとは判断できません。
相談先があることと、承認されることは別
現行の公式文書は、対象になり得る組織に対し、Anthropic、AWS、Google Cloudのアカウント担当者(account team)へ相談するよう案内しています。これは正式な受け付け先であり、承認や日程の保証ではありません。
相談前に一枚の要件メモを作ると、担当者が判断しやすくなります。最低限、法人名と既存契約、防御的セキュリティなどの具体的用途、入力するデータの区分、実行環境と人による確認責任、希望する提供基盤を記載します。秘密鍵、private repository、機密サンプルは最初のメールに添付せず、安全な提出方法を先に確認してください。
Anthropicは将来のtrusted access programにも言及していますが、今回の確認では誰でも送信できる公開申込フォームは見つかりませんでした。将来計画を現在の利用可能性として扱わないことが重要です。
すでにPreviewを使っていた組織の確認事項
既存顧客は新規申請からやり直す必要はありません。まず、現在の担当者に次の3点を一括で確認します。
claude-mythos-5が自社アカウントで復旧済みか- Claude API、Bedrock、Google Cloud、Foundryのどこに割り当てられたか
- その基盤で使うcredential、請求、region、quota、データ条件は何か
コード側ではモデル名を更新し、adaptive thinkingが常時有効である点に注意します。manual thinking: enabled とtoken budget、または thinking: disabled は対応しません。機密を含まない小さなrequestで成功を確認してからtrafficを移してください。
公開sample codeが動作形式を示していても、自社アカウントの利用権限を証明するものではありません。
未承認ならFable 5を基準に設計する
一般開発者にとってFable 5は、Mythosが開くまでの非公式な代用品ではありません。Anthropicが一般提供する正規モデルです。Mythos 5との主な運用差は安全分類器にあります。
分類器が生成前にrequestを拒否した場合、Messages APIはHTTP 200と stop_reason: "refusal" を返すことがあります。通信エラーとして再送を繰り返すのではなく、stop reasonを判定し、許可された別モデルへの切り替えやユーザー向け案内を実装します。
特別なMythos利用権ではなく通常の公開キーが必要なら、Claude APIキーを自分で安全に用意する方法を参照してください。生成済みキー、共有キー、「審査なしMythos」をうたうproxyは、公式アクセスの代わりになりません。
最後に、Fable 5とMythos 5は現在どちらも30日間のデータ保持があり、zero data retention(ZDR)では提供されていません。AWS経由ではprovider data sharingも確認対象です。ZDRや特定クラウド内での処理が必須なら、Fable 5にも進まず、条件に合う別モデルまたは契約を選んでください。
日本向けの判断は、region一覧より先に「承認書」「復旧確認」「割り当て基盤」の3点を見ることです。3点がそろえば担当者の手順に従い、そろわなければFable 5で進める。この順序なら、古いPreview記事やクラウドのmodel IDをアクセス権と取り違えずに済みます。



